出版社内容情報
1本の木が少年に与える限りない愛を描いた名作絵本「おおきな木」。この世界的ベストセラーを原文で楽しみたいという声にお応えして、バイリンガル版を刊行。また、訳者の村上春樹氏が、原書をどのように読み解き、それを日本語でどのように表現したのかも興味深く、英語学習だけでなく色々な味わい方のできる1冊です。
内容説明
日本語訳付き。
著者等紹介
シルヴァスタイン,シェル[シルヴァスタイン,シェル] [Silverstein,Shel]
1930年、シカゴ生まれ。イリノイ大学、ローズヴェルト大学等で学ぶ。絵本作家として有名だが、ソングライター、漫画家、詩人としても活躍。1999年死去
村上春樹[ムラカミハルキ]
1949年、京都府生まれ。早稲田大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
毒兎真暗ミサ【副長】
33
【原書】シルヴァスタイン作・絵。訳は村上春樹。前任者、本田錦一郎没後の本作(2023年出版)を見つけたので3冊読んでみた。原題は『The Giving tree』。与える木である。親と子の関係のようにも思う。誰かを愛し、また愛され、許し、許され。時が流れる。TREEはsheで描かれ、冒頭に直筆で「ニッキーへ」と書かれていた。シルヴァスタインの元彼女らしい。2024/05/29
りらこ
24
温かくて、哀しい。 木の気持ち、目線でずっとandで繋がる文章が、時々途切れていく。少年の成長に伴って。 そしてまた少年は、少年じゃなくなった少年は木のところに戻ってきて切り株に座る。その姿には木登りをしてリンゴを食べていた頃の面影はない。でも木にはわかるのだ、少年だと。 まるで親なのだ。 木は親である私だし、私の親だったりもする。きっと読書はその時の気持ちや立場で受け取り方が変わるだろう。 そう、この絵本もまたこの本の木のように、読む側にずっと寄り添える絵本。 2023/02/10
クラムボン
12
先日村上春樹訳で読んだ時に疑問が湧いた。毎日リンゴの木の下にやって来た少年は、やがて青年になり、いつしか中年となり老人となる。ただ歳をとっても地の文では《少年》と記すのは何故なのか? この英語版で確認してみたら一貫して《boy》。村上訳は言葉に忠実だった。しかし歳を取っても《少年》の訳語には戸惑いを感じる。一方《boy》にそれを感じないのは…語感なのか?言葉の持つ包容力なのか? そして、りんごの木も少年が老人になっても《boy》と呼び続けるのだが、村上訳も《ぼうや》で通す。ただこちらの訳はしっくりする。2024/08/23
さとちゃん
8
本田錦一郎氏の訳と見比べたくて図書館で借りてきました。なるほど、原文はこうだったのか! 原題は"The GIving Tree" 文中、「木」のことは"she"で表現されており、これが英語だと当然に女性形なのか作者が意図的に女性形を選んだのかがわからない自分の英語力なさよ(泣) 村上春樹氏の訳は本書で初めて読みました。これはこれで、なるほどと思うものの、何となく大人向けのお行儀のよい訳のような感じを受けた。なお、本書は2023年刊。2023/10/27
963papa 改め 大丈夫
6
娘(中一)の宿題用に、図書館で選んだ。読みやすいし、良い話だと思う。無償の愛。2024/12/29