内容説明
日本の侵略に叛逆し、金沢で処刑された尹奉吉。尹奉吉が行動を起こしたのは激烈な上海戦の最終局面であった。だからこそ彼の行動は中国人から賞賛されたのであり、上海戦と尹奉吉の行動は切り離すことができない。上海戦の全過程を捉え直すことで、上海の抗日戦争と朝鮮独立運動との関連を踏まえ、“侵略”に対する“抵抗”の意味を考える。
目次
第1部 上海―ほんものの戦争(不抵抗の満州事変;抵抗の上海事変;通説は成り立つのか)
第2部 もう一つの抗日戦争(上海事変と独立運動;「白川は死んでいない」;顕わになった負の側面;奪われないために)
第3部 抗日に向き合う(埋葬地跡が示すもの;未来に何を残すのか)