出版社内容情報
南極横断失敗!シャクルトン隊、奇跡の28名全員生還の記録。リーダーの条件とは?読売・毎日新聞「読書欄」書評。映画化決定。 中学生~一般
内容説明
この本は、エンデュアランス(不屈の精神)という名をもつ船に乗って南極大陸をめざした、ある探検隊の記録である。
目次
冒険へのあこがれ
出航
長く暗い冬
氷の圧力
生きのこりへの計画
さらば、エンデュアランス号
オーシャン・キャンプでの生活
ペーシャンス・キャンプ
「最悪の海」との戦い
エレファント島
別れ
ケアード号
故郷で待つ人々
サウスジョージア島
山ごえ
救助船
再会
著者等紹介
キメル,エリザベス・コーディー[Kimmel,Elizabeth Cody]
アメリカ、ニュ-ヨ-ク生まれ。幼い頃からの熱烈な読書家。南極大陸とその探検の歴史には、長年強い関心を抱いており、その情熱が本書執筆へと結実した。ほかにノンフィクション『Balto and the Great Race』、ヤングアダルト向けの小説『In the Stone Circle』などの作品がある。ニューヨーク州コールドスプリング在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shiho♪
21
こんな凄まじい事実があったなんて初めて知りました。南極大陸横断を試みるも、大陸の手前で流氷帯に船が閉じ込められてしまった漂流物語…。シャクルトン隊長に惚れます❗️氷に閉ざされた世界でも28人の隊員を鼓舞する統率力、幾多の困難を乗り越える的確な判断力、そして何よりも諦めない不屈の精神(=エンデュアランス)。ハラハラドキドキで一気読みでした。 そんな人徳優れた隊長も、船を降りれば事業に失敗するなど妻に苦労を掛けたというエピソードがまた人間味を深くしています。 小高~中学生の冒険物語が好きな子におすすめ。2021/03/02
三平
16
1914年、南極を目指し出港したエンデュアランス号。待っていたのは南氷洋の氷に閉じ込められた上、最後は氷に横腹に穴を開けられて転覆する運命だった。何とか脱出したものの氷の上に取り残された28人の乗組員たち。これは絶望と思える中、希望を失わず約2年をかけて全員生還した奇跡の記録である。貴重な写真が添えられているが特に訴えかけるのが、救援を信じ船長たちをボートで送り出した居残り組が4ヶ月後、救助の船を見つけて弱った体を起こし、手を振る写真。その背中に宿る万感の思いが胸を震わす。2017/03/27
はる
12
図書館本。写真の力は強い!食事風景、冬至のパーティ、副隊長のご尊顔。そして圧倒的な氷の威力、「不屈の精神」と名付けられた船があっけなく残骸になっていく過程。まさしく「ICE STORY」全員が生還するとは知らずに読んだ新潮文庫「エンデュアランス号漂流」を探すか、「南極の スコット大佐とシャクルトン」おお!大好きな佐々木マキ!を買うか悩みながら、まだ漂流が続きそう。2017/02/19
£‥±±
8
短く、豊富な図版と大きな文字等、本来はジュヴィナイル向けの本なのかもしれない。 ともかく遭難した位なので実は運が悪い探検隊が奇跡の生還~犠牲者ゼロ~を遂げた事から逆に幸運の塊の様に見えてしまう。 生き延びて、語り手が居る訳だから危険に遭遇したその手のエピソードが多いのは当たり前なのだが。 北海航路探検中に全滅した「フランクリン隊」の遭難エピソードとつい比べてしまう。 違いは途中まで犬橇が使え、食糧にする事も厭わなかった事、極地探検に慣れた隊員が多かった事、そして猟の獲物に恵まれた事が大きい。2022/12/09
光
8
1914年。南極大陸を目指した乗組員28人。不屈の精神で、どんな困難も乗り越えていく姿に胸が熱くなります。訳者の千葉茂樹さんのあとがきより「読むものに生きるよろこびと勇気を与えてくれるこの物語、多くの人の目に触れることを願ってやみません」2016/03/09