内容説明
憂鬱と官能、生と死が入り交じり、告別する活字による追悼演奏集。菊地成孔がこの十数年間に綴った追悼文/追悼放送の数々を1冊にコンパイル。
目次
第1章 Jan 2004‐Dec 2010(二つの訃報;という訳で、今週は当欄お休み致します;今日で君とお別れ;母ちゃん偉い(姉ちゃんも偉い) ほか)
第2章 Mar 2011‐Apr 2011(震災前夜からエリザベス・テイラー追悼公演までの一ヶ月)
第3章 Jun 2011‐May 2015(追悼 団鬼六氏;革命に再放送はない 追悼ギル・スコット=ヘロン;遺体にチュー 追悼 山本房江(仮名)さん
天国のハワイ ジョン・コルトレーン/ビリー・ホリデイに捧ぐ ほか)
著者等紹介
菊地成孔[キクチナルヨシ]
1963年、千葉県生まれ。音楽家・文筆家。84年にプロデビュー。現在はdCprG、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール、ダブセプテッドを主宰する他、大谷能生とのヒップホップユニット、ジャズドミュニスターズとしても活動。ジャズに軸足を置きながら、ジャンルレスな音楽・執筆活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
17
誰か有名人が亡くなった時、様々な媒体でいっせいに追悼の言葉が流れる。自分でも書いたことがある。どんなに言葉を重ねてみても、ほんとうのところまで書けた気がしなくて厭になったり他人の言葉が響かなくてそれも恨めしい気持ちになることがある。けれど、菊池成孔の綴る追悼文は、そのひとと自分自身の関わりの深さとは関係なく、それを読むことで死者への想いを感じ、自分も自然と頭を垂れ、喪失の気持ちを深く味い直す気持ちになる。浅川マキとウガンダ・トラ、忌野清志郎、山田房江(仮名)さんへの追悼文がとくに好きです。素晴らしいです。2015/12/31
mawaji
4
初菊地成孔。「アリス・コルトレーンはジャズ界のオノ・ヨーコ」「心酔していたラヴィ・シャンカールに思いっきりダメ出しをくらうコルトレーン」などの小ネタにフムフム頷きながら読みました。加藤和彦と伊丹十三のプロファイリングの共振性や紫色の闇の中でマグカップ片手におんなじ質問を繰り返す浅川マキの逸話なども興味深し。忌野清志郎と山本房江(仮名)さんへの追悼文が特に印象的でした。Close to youの訳詞、とてもよかったです。坂田先輩の狼藉の尻拭いをして頭を下げるナルヨシ氏は非常に常識的なヒトなのではなかろうか。2020/09/03
Takuo Iwamaru
4
「不謹慎を承知で」という言葉が(筆者も自覚しているように)本書中、何度も繰り返される。「こんなことを言ったり考えたりするのは不謹慎だろうな(だから言わないでおこう)」と、時に僕も考える。不謹慎を承知でという前置きを(本書の筆者ですら)書かせてしまう何か。だがその何かを敵に回してでも、守るべきものがあると僕は感じた。この破格の追悼文集は、祝祭的な雰囲気に満ちている。それこそ不謹慎な本なのかもしれない。だが僕はそれを死者への冒瀆とは感じない。不謹慎であるというルール破りで可能となる追悼があってもよいからだ。2015/11/22
かれーらいす
2
タイトルから最期まで追悼文よって体感する衝動やあるべきような在り方がまざまざとあった2024/05/18
hf
2
1ー2年くらい前に御嶽山のジャスコで購入、放置していて読み終えた。相倉久人の本を読んでみたい。相倉久人と瀬川昌久は別人なのだなぁ。相倉久人さんを激怒させたという編集の人は誰なのだろう。中山康樹さんの本も読んでみたいものだ。あとモダンジャズディスコティークは毎年2月にやってるのかなと。2011年の震災前、夜電波が始まる前の文章が自分にとって新鮮であった2020/02/08
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