内容説明
言論統制のポストコロニアル。軍隊が「占領」という形で、ある地域を掌握するとき、そこに住む人々は、どのように言論の自由を抑圧されるのか。軍事占領下の沖縄で実施されたメディア規制と言論管理について、日米両国の史料をもとにした実証的な考察により、その実態を明らかにする。
目次
序章 軍事植民地の言論
第1章 象徴天皇の不在
第2章 集合的記憶と記念日報道
第3章 軍法と言論
第4章 占領地の心理戦
第5章 米国の広報外交と沖縄
第6章 冷戦を言葉で戦う
第7章 沖縄マス・メディア調査
第8章 地方選挙の情勢調査
終章 軍隊と言論
著者等紹介
吉本秀子[ヨシモトヒデコ]
山口県立大学国際文化学部・教授、博士(政治学・早稲田大学)。主要著書:『米国の沖縄占領と情報政策:軍事主義の矛盾とカモフラージュ』春風社、2015年(沖縄タイムス社より第43回伊波普猷賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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米国占領下沖縄のメディア管理:背景 施策 影響の分析 占領初期:ウルマ新報創刊と米軍検閲 琉球新報創刊への影響 米国情報活動:スミス・ムント・プログラム適用 反米言論監視 言論統制:ニミッツ布告による規制 出版物事前許可 事後検閲 教育への影響:米軍指示教科書 米国留学奨励 日米関係:安保下の重要性 返還問題 世論調査 選挙関与 冷戦影響:反共防波堤としての位置づけ プロパガンダ強化 メディア抵抗:間接的抵抗と独自報道姿勢の確立 結論:軍事統制から対外広報戦略へ変質 沖縄社会への影響2025/04/17