目次
音楽都市モスクワの夜明け前
ボリショイ劇場の焼失と復興
ニコライ・グリゴリエヴィチ・ルビンシュテイン(一八三五‐八一)
ルビンシュテインの挑戦
ピョートル・イヴァノヴィチ・ユルゲンソン(一八三六‐一九〇四)との出会い
開花した音楽都市
クララ・シューマン、ワーグナー、そしてベルリオーズ
モスクワ音楽院の創設
ピョートル・イリッチ・チャイコフスキー(一八四〇‐九三)
チャイコフスキーのモスクワデビュー〔ほか〕
著者等紹介
ラシチェンコ,スヴェトラーナ・コンスタンティーノヴナ[ラシチェンコ,スヴェトラーナコンスタンティーノヴナ] [Лащенко,Светлана Константиновна]
音楽学者、文化学者、研究者、大学講師、ジャーナリスト、編集者。芸術学博士(ロシア)、文化学博士(ウクライナ)。現在、国立芸術学研究所(ロシア、モスクワ市)音楽史部門長
広瀬信雄[ヒロセノブオ]
2019年より山梨大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Wataru Hoshii
6
サンクトペテルブルクに比べて、音楽都市としては立ち遅れていたモスクワがどのように発展の基礎を築いたかを記述したエッセイ。1860年から20年ぐらいの間に、主にニコライ・ルビンシュテインの活躍によって成し遂げられたということがわかる。音楽出版社を興したユルゲンソンの存在も重要であり、その上に咲いた花がチャイコフスキーだ。官のボリショイはロシア・オペラに冷淡で、民から生まれたモスクワ音楽院がオネーギンを初演するなど、モスクワ独自の状況がよくわかる。モスクワは私の第二の故郷なので、地名を見ているだけで面白い。2024/09/13
ソバージュ
5
モスクワの音楽文化の成長発展の物語。ニコライ·グリゴリエヴィッチ·ルビンシュタイン多大な尽力、チャイコフスキーの『エヴゲーニー·オネーギン』での新たな試み無くしては現在の音楽都市にはならなかっただろう。訳文が少々読みにくかったが、地を耕し、改革していく様は興味深いものだった。モスクワ···コロナで旅をキャンセルせざるを得なく現状でも遠い遠い地になってしまって悲しい。2025/07/16