内容説明
「金」や「労働」だけではなく「民主主義」のために戦った「ネクタイ部隊」の実像。民主化抗争やソウルオリンピック、朝鮮戦争関連番組を通して1990年代の韓国社会を抉り出しながら、ダイナミックなミドルクラスの境界侵犯の実態を「転換期」として分析的に捉え直した文化社会学的アプローチによる朝鮮戦争研究の意欲作。
目次
序章 ポスト冷戦期韓国のミドルクラスを考えることとは
第1章 浮き彫りとなったミドルクラス―前景としての1980年代
第2章 ミドルクラスと朝鮮戦争の記憶の仕方
第3章 「反共捕虜」とイデオロギーの彼方
第4章 グローバル化と脱北者の増加―「離脱」へのまなざしの変化
第5章 新自由主義とネットワーク時代のミドルクラス
終章 ミドルクラスはなぜ問われるのか
著者等紹介
崔銀姫[サイギンキ]
佛教大学社会学部教授。専門はメディア研究(社会情報学)。東京大学大学院社会文化研究科博士課程中途退学。韓国ソウル大学言論情報研究所客員教授(2010年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バーニング
2
最近の流れでなんとなく買ってみたら思った以上にゴリゴリの社会学だった。番組制作の過程や制作された番組とその需要のされ方や、時代ごとのサーベイ調査によって韓国のナショナリズム意識の変化を探るという本。朝鮮戦争の記憶のされ方や、脱北のイメージに変化の研究などは現代的な意義もおそらく大きい。先行研究に明るくないので気の利いたことは言えないが、87年の革命が成功したのはなぜか(逆になぜ光州などでは失敗したのか)に焦点を当てた第一章後半の記述は面白く読んだ。2022/12/07
くらーく
2
ちょっと何言っているか分からない。。。。2021/06/26
コウみん
1
朝鮮戦争、民主化運動に参加した彼ら。 韓国では586世代と呼ばれている彼らは韓国社会で大きな影響を与えた。 実際に韓国で放送された番組の内容も出てある。 韓国の近現代史の社会学みたいな感じの内容だった。2024/01/01