目次
1 リビアの成り立ち―地理・歴史・民族
2 リビアの反政権闘争
3 国際社会とリビア
4 深刻な難民問題
5 砂漠との戦い
6 天然資源と日本との関係
7 カッザーフィー政権の崩壊
8 新生リビアの生みの苦しみ
9 統一国家再建への期待
著者等紹介
塩尻和子[シオジリカズコ]
1944年岡山市生まれ。東京大学大学院人文社会科学研究科博士課程単位取得退学(博士(文学)東京大学)。筑波大学教授、同大北アフリカ研究センター長、同大理事・副学長(国際担当)、東京国際大学特命教授、同大国際交流研究所・所長を経て、筑波大学名誉教授。専門分野は、イスラーム神学思想、比較宗教学、宗教間対話、中東地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
16
2006年に出たものの改訂版。この間にカッザーフィー(カダフィ)政権が崩壊し、大きな変動があった。著者は筑波大学教授であるが、夫がカッザーフィー時代に駐リビア大使をしており、カッザーフィー夫人の交流など、貴重な体験が綴られている。初版ではカッザーフィーの政治思想が詳細に描かれていたがそれが割愛され、カッザーフィー以降の混迷と差し替えられた形になっている。著者はカッザーフィー時代を振り返り、多くのリビア国民も、またカッザーフィー自身もその特異な政治思想を理解できていなかったのではないかと言う(p.266)2020/08/11
鯖
15
リビアと聞いて思い浮かぶのはカダフィ大佐。この本ではカッザーフィーと音に従った表記。リビアに外国の軍隊はいらないという直接人民主義を貫き、40年以上に渡って独裁をしき、テロ支援国家として罵られてきた国。やっぱり欧米中心主義から見ればそういわれちゃうだろうけど。リビアの政権が崩壊して、ヨーロッパへの移民が爆増したという皮肉。現状、ガスや石油等の天然資源の面からみても、日本との関係がいい方向にいくといいなあと。…しかしカダフィが殺戮される動画、記憶にこびりついちゃってるなあ。フセインやチャウシェスクもだけど。2022/09/11
へろへろ
0
リビアを知る良い基本書になるのではなかろうか。歴史、政治、経済、暮らし、まとまっていると思う。 中東を振り返りたい時、再読したい。シリーズの他の本も面白そう。2020/07/14