出版社内容情報
いまや「良い統治」をどう実現するかは開発の焦点であり、開発の世界で焦点となったガバナンス(統治)を、政治学的に位置づけたものが開発政治学である。開発は国づくりであり、国をつくるのは政治であるという「開発の基本」を、政治学の各分野と関連する61冊の本の紹介を通じて理解する新たな視点の概説書。
はじめに――国際開発学と開発政治学
第?部 現代世界と途上国開発
第1章 開発の政治経済学のいくつかの視角
1 絵所秀紀『開発の政治経済学』
2 ダニエル・ヤーギン&ジョゼフ・スタニスロー『市場対国家』
3 ステファン・ハルパー『北京コンセンサス』
第2章 比較政治学と政治発展論
4 ハワード・J・ウィーアルダ『入門 比較政治学』
5 サミュエル・ハンチントン『変革期社会の政治秩序』
6 リチャード・A・ヒゴット『政治発展論』
第3章 開発援助と政治
7 西水美恵子『国をつくるという仕事』
8 マイケル・エドワーズ『フューチャー・ポジティブ』
9 トーマス・カロザース他『政治に直面する開発援助』(英文)
10 ヴェレーナ・フリッツ他編『課題対応型の政治経済分析』(英文)
第?部 途上国開発における国家の役割
第4章 開発・国家・ガバナンスに関する国際機関の議論
11 世界銀行『世界開発報告1997』
12 世界銀行『世界開発報告2017』
13 国連開発計画『人間開発報告書2002』
14 クレイグ・N・マーフィー『国連開発計画(UNDP)の歴史』
第5章 開発と制度・制度改革
15 ダグラス・C・ノース『制度・制度変化・経済成果』
16 ダロン・アセモグル&ジェイムズ・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』
第6章 国家論と開発国家
17 ヨン・ピエール&ガイ・ピーターズ『ガバナンス・政治・国家』(英文)
18 エイドリアン・レフトウィッチ『国家と開発』(英文)
19 メレディス・ウー・カミングス編『開発国家論』(英文)
20 リチャード・サンドブルック『アフリカ経済危機の政治分析』
第7章 脆弱国家論
21 ポール・コリアー『民主主義がアフリカ経済を殺す』
22 世界銀行『世界開発報告2011』
23 稲田十一編『開発と平和』
第8章 ナショナリズムと近代国家
24 アーネスト・ゲルナー『民族とナショナリズム』
25 ベネディクト・アンダーソン『(定本)想像の共同体』
26 アントニー・D・スミス『ネイションとエスニシティ』
第?部 開発のための国家運営
第9章 開発と法の支配
27 松尾弘『良い統治と法の支配』
28 ラン・ハーシュル『司法官僚支配へ』
第10章 汚職対策
29 スーザン・ローズ=アッカーマン他『汚職と政府』(英文)
30 梅田徹『外国公務員贈賄防止体制の研究』
第11章 リーダーシップ論の途上国への適用
31 ジョセフ・S・ナイ『リーダー・パワー』
32 鈴木康次郎・桑島京子『プノンペンの奇跡』
第12章 開発行政と官僚制
33 ガイ・ピーターズ『官僚制の政治学』(英文)
34 マーク・ターナー&デイビッド・ヒューム他『ガバナンス・経営・開発』(英文)
35 ジョン・クア『シンガポール方式の行政』(英文)
第13章 途上国流の公共政策と政治
36 マット・アンドリュース『開発における制度改革の限界』(英文)
37 玉田芳史・船津鶴代編『タイ政治・行政の変革 1991-2006年』
第14章 ローカル・ガバナンス
38 シャビール・チーマ&デニス・ロンディネリ編『分権化するガバナンス』(英文)
39 石田徹・伊藤恭彦・上田道明編『ローカル・ガバナンスとデモクラシー』
第?部 開発を取り巻く政治過程
第15章 クライアンテリズムとレント・シーキング
40 河田潤一編著『汚職・腐敗・クライエンテリズムの政治学』
41 メリリー・グリンドル『地方へ』(英文)
42 ハーバート・キッチェルト&スティーヴン・ウィルキンソン編『パトロン、クライアント、政策』(英文)
43 ニコラス・シャクソン『タックスヘイブンの闇』
第16章 開発途上国の政党と政治
44 ジョヴァンニ・サルトーリ『現代政党学』
45 アンジェロ・パーネビアンコ『政党』
46 アレン・ヒッケン&エリック・クホンタ編『アジアにおける政党システムの制度化』(英文)
第17章 市民社会
47 マイケル・エドワーズ『「市民社会」とは何か』
48 高柳彰夫『グローバル市民社会と援助効果』
49 メアリー・カルドー『グローバル市民社会論』
第18章 民主化
50 ジーン・グリューゲル『グローバル時代の民主化』
51 サミュエル・ハンチントン『第三の波』
52 スティーヴン・レヴィツキー&ルカン・ウェイ『競争的権威主義』(英文)
第?部 開発への国際関与
第19章 政策改革支援
53 ステファン・ハガード&ロバート・カウフマン編著『経済調整の政治学』(英文)
54 世界銀行『有効な援助』
55 石川滋『国際開発政策研究』
第20章 平和構築支援
56 ローランド・パリス『戦争の終わりに』(英文)
57 篠田英朗『平和構築と法の支配』
58 オリバー・リッチモンド『ポスト自由主義的平和』(英文)
第21章 民主化支援
59 トーマス・カロザース『重要な任務』(英文)
60 サラ・ブッシュ『飼いならされるデモクラシー支援』(英文)
61 杉浦功一『民主化支援』
索引
木村 宏恒[キムラ ヒロツネ]
監修
稲田 十一[イナダ ジュウイチ]
著・文・その他/編集
小山田 英治[オヤマダ エイジ]
著・文・その他/編集
金丸 裕志[カナマル ユウジ]
著・文・その他/編集
杉浦 功一[スギウラ コウイチ]
著・文・その他/編集
目次
第1部 現代世界と途上国開発(開発の政治経済学のいくつかの視角;比較政治学と政治発展論 ほか)
第2部 途上国開発における国家の役割(開発・国家・ガバナンスに関する国際機関の議論;開発と制度・制度改革 ほか)
第3部 開発のための国家運営(開発と法の支配;汚職対策 ほか)
第4部 開発を取り巻く政治過程(クライアンテリズムとレント・シーキング;開発途上国の政党と政治 ほか)
第5部 開発への国際関与(政策改革支援;平和構築支援 ほか)
著者等紹介
木村宏恒[キムラヒロツネ]
名古屋大学名誉教授(大学院国際開発研究科)。専門:開発政治学、国際関係論
稲田十一[イナダジュウイチ]
専修大学経済学部教授。専門:開発の政治経済学、国際協力論、ODA評価
小山田英治[オヤマダエイジ]
同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科教授。専門:国際開発学、開発政治学、途上国のガバナンス・汚職対策研究
金丸裕志[カナマルユウジ]
和洋女子大学人文学群教授。専門:比較政治学、政党論、民族問題、東南アジア地域研究
杉浦功一[スギウラコウイチ]
和洋女子大学人文学群准教授。専門:国際関係論、政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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