目次
第1章 パキスタンという国
第2章 長い軍政の歴史
第3章 司法による殺人
第4章 ローティー、カプラー、マカーン
第5章 オペレーション・フェアプレー
第6章 失われた一〇年
第7章 四度目の軍政
第8章 民主主義定着への一歩
第9章 原爆の父と核の闇商人
第10章 テロとの戦い
著者等紹介
中野勝一[ナカノショウイチ]
1944年、奈良県生まれ。大阪外国語大学インド・パキスタン語科卒業後、外務省に入省。カラーチー大学にて在外研修の後、在パキスタン大使館、在カラーチー総領事館など、本省では南西アジア課、経済協力一課などに勤務。2005年から2008年まで在カラーチー総領事。現在、大東文化大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
5
著者は、パキスタンで総領事を務め退官した元外交官。この国の専門家ではないボクには、本書の正確さや意義を見定めることはできないが(元外交官の著作には時々、大変程度の低いものがある)、日本語類書はなく貴重な一冊であるのはたしか。記述スタイルは、教科書のようなスタンダード通史ではない。1970年代以降の政局を中心にした事態事件ごとに章を立て、それをおおよそ通時的にならべる(時間軸は複雑に交差する)という読み物スタイル。私自身はインド政治史に明るいので、つねにそれと対比しながら読みました。勉強になりました。2020/01/18
Kenji Suzuya
2
独立頃から最近までのパキスタン政治史。時系列でやや詳細ではあるものの、より正確には「政局史」というべきで、選挙の結果や権力闘争の記述が中心であり、政策に関する記述は皆無で、せいぜい核開発とテロ対策があるのみ。軍部、政治家・政党、司法、イスラーム主義勢力といった政治アクターごとの分析があれば、より深みがあって充実していたと思うのだが。2014/10/27