出版社内容情報
「ろう教育」という城塞の中で、どのような教育がなされてきたのか。ろう児に教育の選択肢を与えるよう、歴史の中で切り捨てられた大勢のろう者と子どもの幸せを心から願う親たちが提言する。国内外の言語学者、心理学者、ろう学校教員などの見解を添えた革新的な書。
はじめに[岡本みどり]
1 ろう児の人権宣言
私たちの望むろう教育[岡本みどり]
2 ろうとは?
1 聞こえないことって可哀そう?[榧陽子]
2 手話とは[市田泰弘]
3 ろう教育の現状――ほんとうのところは?――
1 手話との出会い[鈴木英子]
2 ろう児を育てる喜び[板垣岳人]
3 ぼくはもう補聴器いらない[玉田さとみ]
4 母親法の指導を受けて[中村成子]
5 聴覚口話法は誰のため?[小野広祐]
6 わが家はデフ・ファミリー[羽柴志保]
――ろうとしての自覚と誇り――
4 今後の方向性
1 川から大海原へ[竹内かおり]
――龍の子学園の四年間――
2 声の否定[ジム カミンズ・中島和子/訳]
――カナダの学校教育におけるろう児の言語の抑圧――
3 きこえない子の心の発達と人権[河崎佳子]
――臨床心理学の立場から――
4 日本のろう児にはJSL(日本手話)を
[ダーレン エワン・中村成子/訳]
5 申立趣旨
1 ろう学校には手話がない!?[長谷
私たち全国ろう児をもつ親の会は二〇〇二年一〇月『ろう児の人権宣言』を発表し、翌二〇〇三年春、日本弁護士連合会に「ろう児の人権救済申立」を行った。この二一世紀の今なぜ人権宣言を発表したのか? また人権救済申立とはどのような内容なのか? それをより多くの方々にお伝えしたいと思いこの本を出版することにした。執筆してくださったのは自分が受けた教育を改善したいと望むろう者をはじめ、弁護士、元ろう学校教員、言語学者、心理学者、ろう児をもつ親などいろいろな立場の方々である。いずれも現在のろう教育の問題に関心をもたれ、ろう児のためにご自身の専門知識を惜しみなく注いでくださっている。
一般にはあまり知られていないが、ろう学校では手話で教えてはおらず授業の進度がおそく、実際の学年よりも一~三年下の教科書を使っていることが多い。先生は手話がわからず、子どもたちは先生との意志疎通もままならないのが現状である。以前よりこうした問題について親たちも疑問に思っていたが、改善されないまま現在に至っている。日本のろう教育は誰を主体として考えられ、誰にとって都合の良い教育なのか、という素朴な疑問が今回の「ろう児の人権救済申立」につながっていっ
内容説明
「新しいろう教育」の選択肢を求めて。手話と書き言葉でろう児はバイリンガルになる!バイリンガル・バイカルチュラル教育の世界的権威ジム・カミンズの歴史的論文「声の否定」、中島和子訳による初の日本語版収録。
目次
1 ろう児の人権宣言(私たちの望むろう教育)
2 ろうとは?(聞こえないことって可哀そう?;手話とは)
3 ろう教育の現状―ほんとうのところは?(手話との出会い;ろう児を育てる喜び ほか)
4 今後の方向性(川から大海原へ―龍の子学園の四年間;声の否定―カナダの学校教育におけるろう児の言語の抑圧 ほか)
5 申立趣旨(ろう学校には手話がない!?;なぜ申立を引き受けたか)
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あじ
かんたろう