出版社内容情報
本書は、名実ともにブルデュの主著である。本書の原型となる《実践の理論粗描》(1972)の公刊以来、彼の思索と理論的構想のほとんど全てが、人間の実践の解明に注がれ、このブルデュ社会学の記念碑的業績にと結実した。
ブルデュは、社会を無意識に律している諸構造を解明する構造主義に対し、その構造を支え、再生産する人間の〈実践=日常的・慣習的行動〉の解明に向かう。そして彼の場合、自由な行為の領域に属する〈科学的・理論的実践〉もまた、慣習的行動の観点から考察される。ハビトゥスやへクシスと不可分の諸々の〈慣習行動〉から〈知的実践〉まで、この広大な人間の実践領域を把握する理論の構築が、ブルデュの壮大な意図である。
そのためには、現代の主要な認識様式との批判的対話が前提とされる。一つは、レヴィ=ストロースの人類学に象徴される構造論的客観主義であり、一つは、サルトルに示される現象学的主観主義である。両者を批判しつつ、同時にその真実を包摂しうる理論的構図――それが、第一巻〈理論理性批判〉において展開される。ブルデュの仕事は、まさに現代の社会諸科学の最も重要な課題への挑戦に他ならない。全2巻。
序文
第一部 理論理性批判
序言
第1章 客観化を客観化する
第2章 主観主義の想像的人類学
第3章 構造、ハビトゥス、実践
第4章 信念と身体
第5章 実践の理論
第6章 時間の働き
第7章 象徴資本
第8章 支配の様式
第9章 主観的なものの客観性
注
あとがき
ピエール・ブルデュ[ピエールブルデュ]
著・文・その他
今村仁司[イマムラヒトシ]
翻訳
港道隆[ミナトミチタカシ]
翻訳
内容説明
構造主義と現象学を超えて、人間の慣習的行動=実践を解明する理論。社会諸科学の根本的課題に挑戦する。
目次
第1部 理論理性批判(客観化を客観化する;主観主義の想像的人類学;構造、ハビトゥス、実践;信念と身体;実践の論理;時間の働き;象徴資本;支配の様式;主観的なものの客観性)
著者等紹介
ブルデュ,ピエール[ブルデュ,ピエール] [Bourdieu,Pierre]
1930年フランスのダンガンに生まれる。1951‐54年高等師範学校に学び、哲学の教授資格を取得。1958‐60年アルジェ大学、1960‐61年パリ大学、1961‐64年リール大学で、助手・講師を勤め、1964年社会科学高等研究院教授、1981年コレージュ・ド・フランス教授に就任。ヨーロッパ社会学センターを主宰する。2002年歿
今村仁司[イマムラヒトシ]
1942年岐阜県に生まれる。1970年京都大学経済学部大学院博士課程修了。元東京経済大学教授。2007年歿
港道隆[ミナトミチタカシ]
1953年北海道に生まれる。1981年東京外国語大学大学院修士課程修了。1987年パリ第一大学博士課程修了。甲南大学名誉教授。2015年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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roughfractus02
pepe
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- 都市に生きる新しい公共