出版社内容情報
マイノリティとして受けた抑圧や差別への反発から自意識を確立し、対抗文化の創造者としての地位を確保してきたチカーノ。アメリカ美術業界において、新しいトレンドを生み出す重要なパワーとなっているチカーノ・アートの発生から現在までの流れをまとめた。
はじめに
謝辞
第1部 チカーノ・アート
第1章 チカーノとは
1 美術におけるチカーノ研究の概略
2 チカーノの定義
3 コロニアからバリオへ
4 パチューコからチカーノへ
第2章 チカーノ・アートの誕生
1 チカーノ前史
(1)一九世紀のサウスウエスト
(2)メキシコ革命から第一次大戦の時代
(3)一九二〇年代の多様なメキシコ人像
2 チカーノ・アートのルーツ
(1)建築
(2)ヒスパニック・アートのリバイバル運動
(3)アメリカ合州国内で活躍したメキシコ人美術作家たち
(4)メキシコ系アメリカ人の美術作家たち
(5)パチューコ文化の創造
第3章 チカーノ・アートの流れ
1 現代美術としてのチカーノ・アート
2 胎動期――主張するチカーノ・アート
(1)マイノリティの公民権獲得運動
(2)キューバ革命への憧れ
(3)ベトナム戦争への不信
(4)学生運動とチカーノの美術教育
(5)チカーノ農業労働者抵抗運動のコミュニケーション
(6)ネイティブ・アメリカン抵抗運動との連帯
(7)ドラッグ・カルチャーの洗礼
(8)フェミニズム運動とチカーナ作家の登
内容説明
一九九〇年代のアメリカ合衆国における美術業界の動向を見渡すと、ますます顕在化してくる多民族・多文化の共生する国家という社会の様相を反映して、それはダイナミックに変貌を遂げようとしている。本書は、この変化を促すひとつの要素として二一世紀に入っても機能し続けるチカーノ・アートについて、チカーノというマイノリティ集団の存在の歴史を絡めながら、その発生から現在までの流れをまとめたものである。
目次
第1部 チカーノ・アート(チカーノとは;チカーノ・アートの誕生;チカーノ・アートの流れ)
第2部 チカーノ・アート資料
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