出版社内容情報
1997年秋に行われた早稲田大学総合講座「人権への視座」の講演録。マルキスト,アナキスト,随筆家……戦前戦後の激動の時代を誠実に生きた3人の女性が送る,次世代へのメッセージ。
はじめに[岡村遼司]
【講演】
人間が人間でなくなるとき[岡部伊都子]
人間主義―平和を求めて[望月百合子]
天皇制下の底辺で生きる[松田解子]
解 説[岡田孝子]
1 岡部伊都子―白の世界そのままに
2 望月百合子―自由人として生きる
3 松田解子―勁さと優しさと
文学とフェミニズム[尾形明子]
1 『女人芸術』創刊
2 『青鞜』とその時代
3 長谷川時雨
4 『輝ク』の時代
目次
講演(人間が人間でなくなるとき(岡部伊都子)
人間主義―平和を求めて(望月百合子)
天皇制下の底辺で生きる(松本解子))
解説(岡部伊都子―白の世界そのままに;望月百合子―自由人として生きる;松田解子―勁さと優しさと)
文学とフェミニズム(『女人芸術』創刊;『青鞜』とその時代;長谷川時雨;『輝ク』の時代)
感想・レビュー
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CH
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戦中・戦後を生きた女性たちの講義録。女性の人権は、戦中と比べれば幾分か改善されたように思われるが、まだまだ、不十分である。「男女共同参画」の実現も然り、女性らしさ、男性らしさを越えた先の、人間として生きやすい国を探求していかなければならない。未来を担う私たちがこの女性たちから学ぶことは、痛ましい戦争体験のみではない。そこには、女というだけで、雇用や自由から排除され、戦争からも排除された姿(男は戦死したら英霊になれる、女は戦争にすら行かない、行けない)、そしてその中でも自らに戦争責任を見いだす姿である。