出版社内容情報
定時制高校の教師として日々、若者と接しながら、在野にあって親鸞研究に大きな足跡を残した著者の膨大な研究成果から、『文学』に寄せた諸論文を中心に三巻に精選・編集した。親鸞悪人増の探求、被差別民への思想的共感から資料の基礎的な研究までを含む。
1 親鸞と被差別民
2 親鸞と海夫
3 親鸞と「犬神人」
4 親鸞と屠児往生説話
5 親鸞と女性
6 親鸞と狩人
7 親鸞と鋳物師―念仏集団を支えたもの
8 親鸞と商人
河田光夫年表
解説=杉山武文
目次
親鸞と被差別民
親鸞と海夫
親鸞と「犬神人」
親鸞と屠児往生説話
親鸞と女性
親鸞と狩人
親鸞と鋳物師―念仏集団を支えたもの
親鸞と商人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
8
悪人マデモが救われるではない。悪人ダカラ救われる。この完全な他力本願への移行を親鸞は、思索によって獲得したのちに被差別民に適用したんではない。被差別民との出会いがこのような思想形成を促した。この「悪人」とは猟漁民のように殺生したり商人のように商いをするのが生業であり、それゆえに「悪人」とされたような人々だった。そう主張した著者は全共闘世代で、定時制高校の国語教師をしながら研究した人。環境に恵まれず低学力の者が多い「部落」出身の学生らとの交わりのなかで、親鸞研究を被差別民との関係へと広げていったものらしい。2024/06/07