出版社内容情報
【紀伊國屋書店チャンネル】
表題作の「落ちこぼれ」や教科書にも採用されている「わたしが一ばんきれいだったとき」などで知られる現代女性詩人のトップランナー茨木のり子の人間を見つめる詩を網羅する。 小学校高学年~中学生
内容説明
現代女性詩人のトップランナー、茨木のり子が人間を見つめ続ける詩を網羅!子どもたちから大人まで、すべての人に読んでもらいたい…そんな想いをこめて贈る。
目次
わたしが一番きれいだったとき(女の子のマーチ;わたしが一番きれいだったとき ほか)
落ちこぼれ(方言辞典;ええと ほか)
はじめての町(癖;はじめての町 ほか)
私のカメラ(私のカメラ;活字を離れて ほか)
茨木のり子さんを訪ねて
著者等紹介
茨木のり子[イバラギノリコ]
詩人。はたちで敗戦をむかえ、23歳で結婚したのち詩を書きはじめる。27歳のとき川崎洋とともに詩誌「櫂」を創刊
はたこうしろう[ハタコウシロウ]
1963年兵庫県生まれ。装幀、さし絵、絵本で活躍している
水内喜久雄[ミズウチキクオ]
1951年福岡県生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん🌷柳緑花紅
68
喉が乾いたときに、お水を飲むように、心が乾きそうになったとき手に取るのは茨木のり子さんの詩集。/落ちこぼれ 結果ではなく 落ちこぼれ 華々しい意思であれ/「知」/不惑をすぎて 愕然となる 持てる知識の曖昧さ いい加減さ 身の浮薄!/「汲む」/初々しさが大切なの人に対しも世の中に対しても 人を人とも思わなくなったとき 堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを 隠そうとしても隠せなくなった人を何人も見ました/ドキンとして今回も背筋が伸びる。2015/06/19
Natsuki
67
水内喜久雄さんの選詩による茨木のり子さんの詩集。既読の詩もちらほらありますが、何度読んでも沁みます(*´ω`*)選詩集ということで選者の色が出てるからなのかな?今までに感じた厳しさよりも、弱さをも大切に抱えたしなやかな強さであったり、何にもとらわれない自由な心を感じました。戦争に触れた詩で印象的だった詩は「わたしが一番きれいだったとき」「知らないことが」「木の実」「総督府へ行ってくる」。それ以外でお気に入りの詩は「落ちこぼれ」「汲む」「活字を離れて」「時代おくれ」「この失敗にもかかわらず」。2015/11/01
annzuhime
46
図書館本。高校生の頃に読んですごく印象的だった詩人の一人。戦争の時代を生き抜いた女性だから見えるもの、語れるもの。とても分かりやすい詩だったけど、なるほど。解釈を加えなくては分からない詩は書かない。その茨木のり子さんの想いのおかげで、私はこの方の詩が20年経っても心に残っているのだなとしみじみ思う。私の娘たちにもいつか読んでもらいたい1冊。2022/04/09
けんとまん1007
40
茨木のり子さんの詩は、どうして、こんなに心に沁みるのだろう。他にも、何人か、そういう詩人の方がいるのだが、それぞれ沁み方が違う。茨木さんの詩は、ストレートにまっすぐに沁みるという印象だ。この選集では、既に、知っている詩も何篇もあるが、それも気にならないのが茨木さんの詩の持つ力なんだろう。落ちこぼれ・・・自分は、落ちこぼれだとずっと思ってきた。だからこそ、わかることもあるのだとも。2016/06/25
蘭奢待
35
今の状況に救いになればと手に取った。茨木のり子らしい詩集。ストレートに心に刺さって来る。何度も読み返したい。2019/02/02