内容説明
火星人襲来!虫けらのように無造作に殺されていく群衆のパニックと悲劇的な惨事。そんな極限状態で発揮される勇気と真摯な祈り―。人間性への深い洞察で人類のエゴに警鐘をならし未来の希望を描ききる。今なお新しいSFの金字塔。瑞々しい最高の新訳でおくる決定版。
著者等紹介
ウェルズ,H.G.[ウェルズ,H.G.][Wells,Herbert George]
イギリスの作家、評論家。1866年ケント州生まれ。歴史家としても、多くの業績を遺す。代表作に『タイム・マシン』『透明人間』『モロー博士の島』など多数。1946年没
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感想・レビュー
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たー
24
SFの古典(原点?)。ある男の手記という形で火星人来襲の衝撃と主人公の葛藤がリアルに描かれている。名作です。2015/10/31
春ドーナツ
17
<主な登場人物>欄で語り手の「ぼく」が「哲学方面の著述家」であることを知り、嬉しくなる。トム・クルーズも頑張っていたけれど、それはそれとして。例えば、こんなセンテンスにときめく。「そうした人影は、ほそながくつらなってゆがんだ三日月のかたちになり、いずれはその先細りの両端でくぼみを包囲することになりそうだった」(35頁)***「『なにがあったんだ?』ぼくはたずねた。『ありとあらゆることさ』」(75頁)観察者と対象物の適度な距離感が好もしい。冷静さを失わず、世界を二次元にトレースして製図を引く建築家のようだ。2018/11/01
俊
11
グロテスクな見た目の火星人がイギリスをボコボコにする物語。主人公(一部弟)の一人称視点で話が進むため臨場感はあるが全体像はやや掴みづらい。前半部分に色々詰め込んで終盤アッサリしている辺りに映画版のワールド・ウォーZを思い出してしまった。ストーリーが多少物足りないものの、これを100年以上前に書いた作者の想像力は本当に凄い。2018/05/04
イツキ
9
SFの始祖とも呼ばれる作者の誰もが知ってるような作品ですが読んだことがないことに気が付き読みました。100年以上前に書かれたとは思えないくらいパニックやの描写が生々しく、技術的なものや火星人の姿かたちを除けばSF的な描写も古さを感じさせないことに驚きました。読みやすいですし何となく当たり前に思っている火星人の姿などの原典を知れたという意味でも読んで良かったです。2020/02/02
barcarola
6
本作は小学生だった自分に読んでいて、結末も記憶していた。このあたり古典のわかりやすさか。ところで、もちろん児童向けを読んでいたはずだが、どんな訳になっていたのか気になるところ。2022/02/05
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