出版社内容情報
アメリカ大陸の先住民ナバホ。創世神話と伝統的な生活を受け継ぐアイリーンさん一家との交流をとおし、ナバホの暮らしを紹介する。 小学校高学年~中学生
内容説明
自然のなかに生きるナバホの姿が、現代人の生き方に多くのヒントを与えてくれる。
目次
第1章 アイリーンさんの暮らし
第2章 ナバホへ行くまで
第3章 牛追い
第4章 羊さがし
第5章 祈祷
第6章 孫たちへのプレゼント
第7章 羊の解体
著者等紹介
ぬくみちほ[ヌクミチホ]
千葉市に生まれる。米国ワシントン州立スカジット・バレーカレッジを卒業後、ニューヨーク市立大学で人類学と美術史を専攻。在学中にナバホ・リザベーションを訪れ、雄大な自然と人々の温かさ、その奥深い文化に触れる。以来ナバホの心の探求は、ライフワークのひとつとなっている。現在は日本とアメリカを行き来しながら、取材・執筆活動に打ちこんでいる。著書に『ナバホの人たちに聞く』『うさぎあそびうた』(以上、福音館書店)、『カラスとよる』(フレーベル館)、『ホワイトサンズ白い風白い時』(講談社)、訳書に『ナバホ・タブー』『クレイジー・ホース』(以上、パロル舎)、『俺の心は大地とひとつだ』(めるくまーる)などがある
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感想・レビュー
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Mijas
46
アメリカの大学で人類学を学び、フィールド・ワークとしてナバホ・リザベーションを訪れた著者。ナバホの人々と触れ合い、見聞きした事、感じた事が綴られている。異文化を知ると同時に、日本という自分の国を振り返る著者の姿勢が印象的。例えば、ナバホの創世神話を聞き、天岩戸の前の広場を思い浮かべる。それぞれの風土だからこそ生まれる固有の文化の存在。一方で、若い世代のライフスタイルは変化し、「伝統的な生活」は失われつつある。ナバホ料理のレシピが紹介されていたので作ってみたい。2015/10/22
吟遊
4
アメリカ先住民と交流したい、とナバホ族のアイリーンさんのもとを何度も訪ねた筆者の記録。牛追い、羊の解体、儀式を垣間見る。文化の奥深くへは入ってゆけなかったようだが、実体験に即していて伝わる。2015/11/26
ぱせり
3
異文化を紹介する本を読みながら、自分自身の文化を振り返ります。わたしはどれほどに自国のことをわかっているのだろう。日本人である、と誇りを持って言えているのだろうか、と。2009/10/21
のん@絵本童話専門
1
後頭部の頭痛に悩まされており…ゆるく流し読みに留めたが、よく絵本にも出てくるメディシンマンが出てきたのでそこだけはぐぐっと集中。面白い!インディアンという言葉だけでなく、ネイティブ・アメリカンという呼び名も拒絶反応を示す方もいる。部族が違えば習慣も伝統も価値観も違うし、広い地域にわたってものすごい数の部族がいるのだ。ここでは伝統的な暮らしぶりが描かれているが、差別を受けつつ近代的な暮らしに馴染んでいる人もおり、そこもそれぞれなのだろう。タブーやルールも多いが、色んな言い伝えがあり、興味深い。2024/03/03
晩鳥
1
ナバホの人々との生活を記した本。筆者にナバホの様々なことを教えてくれるアイリーンさんは、牛追いをしたり、体が不調なときにメディスンマンに祈祷してもらったりするなど、伝統的な生活もする一方で、普段は保育所で働いている。また、アイリーンさんの子どもや孫は普段はリザベーションの外に住み、ナバホの文化とは離れた生活をしている。文化や伝統は続いてほしいと思うが、彼女らにも生活があり、簡単なことではない。2017/08/19