出版社内容情報
いたずらぼうずの太郎は、てのひら島に住むという、虫の神さまクルクルに出会い、素敵な冒険をはじめる。ファンタジー童話の傑作。 小学校中学年~小学校高学年
内容説明
永遠の少年の日。あの夏のファンタジーは今も続いている。いたずらぼうずの太郎は、自分に似ているいたずら虫のクルクルをはじめ、たくさんの虫の神さまたちが住むてのひら島を想像する。豊かな想像力が生んだファンタジーの名作。「だれも知らない小さな国」の原型、待望の復刊。
著者等紹介
佐藤さとる[サトウサトル]
1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。童話創作を志し、1950年に同人誌「豆の木」同人となる。59年、『だれも知らない小さな国』で毎日出版文化賞、日本児童文学者協会新人賞、国際アンデルセン賞国内賞を受賞。67年、『おばあさんのひこうき』で野間児童文芸賞、他受賞
林静一[ハヤシセイイチ]
1945年、満州(現・中国東北部)に生まれる。イラストレーター、画家。アニメーターとして仕事を始め、漫画雑誌「ガロ」に作品を発表。独自の世界を確立する。84年、絵本『ねこのしゃしんかん』(森山京文)でボローニア国際児童図書展エルバ賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オサム兄ぃ
7
1928年生まれの作家、19歳頃の作品。この美しいファンタジーは敗戦後程ない混乱期に生まれたのだ。昨年刊行の自伝「オウリィと呼ばれたころ」で、「いまもぼくの愛読書 - 作者がいう言葉ではないのは承知だが - になっている」と語られる作家にとって思い入れ深い作品。ファンを自認する者として、急いで手に取った。初期作だが「小さな」神様たち、腕白で純真な少年など後に多くの読者に支持される作者の魅力が詰まっている。劇中劇を何重にも用いる構成は、精一杯の工夫が見て取れて、微笑ましい。勿論、効果は十分に上っています。2015/02/11
保山ひャン
4
追悼佐藤さとる。林静一のシルエットの絵。子供が、妖精めいた虫たち(の神さま)を主人公にした物語を空想で紡ぐ。風で帽子を飛ばされた拍子に忘れてしまった思いつきが、帽子の中に入っているというエピソードが好き。ファンタジーに終わらず、成長した子供たちが、てのひら島がどこにあるのか察する結末に感動した。2017/03/06
羊男
1
★★★★☆2021/02/16
Hiroshi Miyata
0
わんぱく天国に続いて佐藤さとる再読。佐藤さとると言えば挿絵は村上勉のイメージだがこれは林静一。これはこれで結構味があってよいな。2012/09/14