内容説明
ローマは一日にして成らず。小都市ローマがなぜ世界の中心になったのか。
目次
序説 共同体と支配
第1 ローマ市民共同体の発展(グラックス以前;グラックス以後共和末期まで)
第2 アウグストゥス体制の確立(ローマ元首政の成立と本質;アウグストゥス権力の政治的基礎)
第3 皇帝裁判権の成立とローマ市民権の変質(ローマ市民の刑法上の特権(プロウォカティオ)
国家法廷裁判権の委託
皇帝裁判権の成立
結語)
著者等紹介
弓削達[ユゲトオル]
1924年東京都に生まれる。1947年東京商科大学(現一橋大学)卒業。東京教育大学助教授、東京大学教授、フェリス女学院大学学長などを歴任、経済学博士。2006年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
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アウグストゥス帝時代のローマを中心にしながら、ローマ建国、共和制ローマ時代の改革を通してローマという共同体の形成、再構築を研究した一冊。共同体の構造が軍事と深く結びついており、周辺勢力に対して軍事的劣勢になることが改革の切っ掛けになっていると思いました。また、建国当初からの名門一族は次第に力が弱まり、共和政期の後半ともなると新興の有力平民が台頭していきます。それに対してアウグストゥス帝は排除するのではなくこれを積極的に登用し、支配層の再構築を進めていきます。2021/05/05