内容説明
古都京都の夏を飾り、毎年何十万人もの人々を魅了する祇園祭。この祭はいかにして一大イベントになったのか。江戸時代を中心に、鬮取、山鉾の巡幸ルート、宵山の盛大化などの変遷を辿り、祭りと町の歴史の真実に迫る。
目次
ある鉾町の思い出―プロローグ
幕府政治と祭礼(祭を支える人と組織;近世祇園会の日程と新要素;雑色と祇園祭)
絢爛たる祭礼(祇園町の参加;祇園祭暗内記の刊行;山鉾町と天明の大火)
大火からの再建(再建への道;宵山の結構;祭礼を支える賃銀)
描かれた祇園祭(近世以前の絵画;近世に描かれた祇園祭;二条城と祇園祭)
祇園祭と鴨川の川床―エピローグ
著者等紹介
川嶋將生[カワシママサオ]
1942年、三重県に生まれる。1967年、立命館大学文学部卒業。現在、立命館大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
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tuppo
3
本論ももちろんだけれどところどころで出てくる周辺情報が読んでいて楽しかった。祭りの準備はたのし。2023/06/18
田中峰和
2
祇園祭で賑わう時期、ご近所の祭りなのでその源流に興味を持ち読んでみた。起源は869年だが、この本では、戦国時代・江戸初期、江戸中期、幕末・明治維新の3つに分けて解説。宣教師の目に映った祇園祭の光景が面白い。宗教の異なる宣教師の悪意のある批判的な見方が述べられている。当時の旦那衆が正妻意外に妾を持っていた習慣が祭りで演じられるのを見下すように報告しているのだ。何度も衰退期を迎えながらも、特定の町が特定の山鉾を資金的に支える制度によって生きながらえた。五輪も祭りの一種なのに資金に無責任すぎて5年後が心配だ。2015/07/16
Yoshihiro Yamamoto
1
A- 祇園祭というと山鉾巡行を思い浮かべるが、実際の祭りを見た感想は、やはり祇園祭の意義に立ち返り、八坂神社から御旅所までの神輿渡御が重要だと思った。この本はその辺りのことを踏まえて3社の神輿の解説や神泉苑との関係も述べているので大変参考になった。一方の山鉾巡行については、記録がないので当然だが、不確かなことが多く、これから先、まだまだ解明されることが多いのだろうなぁと感じた。「祭り」というのはハイライトの部分に目が行きがちだが、一定の期間をフォローして祭りのストーリーを理解することが重要だと思った次第。2023/04/17
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