内容説明
発掘開始から六〇年にわたる研究の軌跡と最新の成果を示す、難波宮研究の集大成。考古学を中心に文献史学・建築史学も取り入れ、難波宮の姿を今に蘇らせる。藤原京や長岡京など畿内の各宮都との比較、東アジア諸国からの影響も視野に入れて都城制を考察し、古代社会の政治や文化をも読み解く。史跡の調査・保存略年表など、付録を巻末に収載する。
目次
第1部 難波宮の調査と研究(山根徳太郎の難波宮研究;古代難波の地形環境と難波津;難波宮下層遺跡をめぐる諸問題 ほか)
第2部 難波宮をめぐる政治と文化(古代難波地域の渡来人―五~六世紀を中心に;難波宮から藤原宮へ―日本古代宮都の成立過程をめぐって;難波宮・京と複都制 ほか)
第3部 難波宮と東アジアの都城制(中国宮城の変遷と難波宮;古代東アジアにおける八角形建物とその平面形態―前期難波宮東・西八角殿研究への予察)
著者等紹介
中尾芳治[ナカオヨシハル]
1936年大阪府に生まれる。1959年京都大学文学部史学科卒業。1960~90年難波宮跡の調査・研究と保存・整備事業に従事。現在、京都府埋蔵文化財調査研究センター理事、文学博士
栄原永遠男[サカエハラトワオ]
1946年東京都に生まれ、まもなく大阪に移る。1974年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、大阪市立大学名誉教授・東大寺史研究所所長・大阪歴史博物館館長、京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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