内容説明
治承四年(一一八〇)以仁王の平家追討の令旨から文永三年(一二六六)将軍宗尊親王京上までの鎌倉幕府中心の編年史。将軍一代ごとにまとめた形をとっている。現在伝わっていない年の部分が果たして編纂されていたものかどうか不明であるが、近世に伝来したときは五十二巻であった。ただしその巻四十五は現在伝わらない。北条得宗制下に編纂されたため曲筆・舞文があり、本文批判が重要な課題となるが、鎌倉前期・中期の武家の政治・社会を研究するには根本史料とされている。底本に北条本をとり、欠けている部分の底本には寛文八年刊東鑑脱漏を用い・、吉川本伏見宮本・前田家本・島津家本により校訂を加えた。巻末に島津家本吾妻鏡の巻首と金沢文庫所蔵寛元二年記とを収めているが、後者は吾妻鏡の編纂史料のひとつであろうとされている。
目次
自承久四年正月至元仁元年十二月
自元仁二年正月至安貞元年十二月
自安貞二年正月至寛喜二年十二月
自寛喜三年正月至貞永元年十二月
自天福元年正月至嘉禎元年十二月
自嘉禎元年正月至同年十二月
自嘉禎二年正月至同三年十二月
自暦仁元年正月至同年十二月
自延應元年正月至仁治元年十二月
自仁治二年正月至同年十二月〔ほか〕