内容説明
日本律令国家は、周辺海域で活発化する国際交易とどう向き合い、またそれをいかに支配体制に組み込んだのか。支配層と海商との多様な関係、唐物のもつ政治的意味などから、交易管理制度の運用実態を考察。さらにアジア海域の交易拠点、奄美・沖縄諸島など島嶼地域の動きをふまえ、古代日本の国家・社会の展開と国際交易者たちとの関係性を捉え直す。
目次
序論 本書の課題と構成
第1部 日本律令国家と国際交易(国際交易の中心と周縁―日本律令国家の国際性と周縁性・多元性;新羅人の交易活動と大宰府;九世紀日本の内政と国際交易―文室宮田麻呂・張宝高・唐物使)
第2部 国際交易者と古代日本(筑前国における銀の流通と国際交易―銀流通の前提を再考する;江南の新羅系交易者と日本;唐人の対日交易―『高野雑筆集』下巻所収「唐人書簡」の分析から)
第3部 島嶼地域と国際交易(南路(大洋路)の島嶼地域と古代の海商
七~一一世紀の奄美・沖縄諸島と国際交易)
終論 平安期の国家と国際交易者―遠距離交易の安全性・信頼性を担保するもの
著者等紹介
田中史生[タナカフミオ]
1967年福岡県に生まれる。1991年早稲田大学第一文学部史学科卒業。1996年國學院大學大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期修了。現在、関東学院大学経済学部教授、博士(歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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