内容説明
定説をくつがえす七支刀鋳造復元三つの要素技術“刀身・象嵌・文字”が緊張した古代東アジアの外交をあぶり出す。
目次
第1部 復元・七支刀(七支刀研究と復元;七支刀の地鉄の謎 ほか)
第2部 技術の復元(各論)(七支刀を鋳造する;象嵌工人との対話 ほか)
第3部 七支刀から見える四世紀(七支刀銘を訓む;七支刀で見る東アジアの外交と鉄)
第4部 付説(象嵌技術から見える古代の鉄技術;切削加工と炭素鋼 ほか)
著者等紹介
鈴木勉[スズキツトム]
1949年、横須賀市生まれ。早稲田大学理工学部卒。工芸文化研究所理事長。橿原考古学研究所共同研究員。早稲田大学文学部非常勤講師(金石学・美術史学)
河内國平[カワチクニヒラ]
本名:道雄。第14代刀匠河内守國助次男。1941年、大阪生まれ。関西大学法学部卒。東京芸術大学大学院美術研究科非常勤講師。橿原考古学研究所古代刀剣研究会委員。七支刀、稲荷山鉄剣、藤ノ木古墳出土大刀、剣等復元。(財)日本美術刀剣保存協会新作刀展無鑑査。奈良県指定無形文化財保持者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
16
百済から倭に贈られた七支刀 ( https://bit.ly/2OI7Nlf ) を再現するために、鉄の炭素量/象嵌の字体/刀自体の三次元形状などの分析にとりくんだ工人/研究者たち。その結果(1)欠落した碑文の年代は「泰始四年」(268年)、「太和四年」(369年)、「泰始四年」(468年) のうち「太和四年」であり(2)日本刀のような鍛造ではなく鋳造によってつくられたれた、可能性が高いことが明らかになった。文字しか見ない「史学」の限界をモノの分析が突破していく様子に圧倒される2019/03/31
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