出版社内容情報
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内容説明
伝馬町大牢といわれた江戸の牢獄は、獄舎の総面積三〇〇〇坪余りと病監が二カ所。江戸時代の囚人収容制度を検証するとともに、元南町奉行吟味与力・佐久間長敬が書き残した『拷問実記』から、笞打、石抱、海老責、釣責など、町奉行所における拷問の実態を明らかにする。
目次
江戸の非常時体制(十手の実力;江戸の治安悪化;薩摩屋敷焼討 ほか)
囚人収容制度(獄舎;伝馬町の大牢;試し切 ほか)
幕末名与力の回顧(拷問の種類;拷問の仕方;笞打 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
8
個人の感想です:B。聖地巡礼企画「江戸市中引き回しの上、はりつけ」コース参考本。内容は『江戸の刑罰』(石井良助)と重なる部分が多いが、冒頭に1868年の江戸薩摩藩邸焼討事件が書かれていて、興味深かった。図版が大きくきれいに印刷されていて、残忍さマシマシだが、学術的な本だ。結びの文章「何日の世でも政府というものは生産者でなく大衆の上に胡坐をかいて搾取している」として、火附盗賊改と伝馬町牢屋敷の費用は現在の警視庁の経費より遥かに僅少で、中央集権としての弱点があり、幕末の倒幕運動を生ぜしめたに注目した2022/04/08