内容説明
散歩がてらに楽しめる非日常のワイルドライフ!生きものの関係をたどっていけば、身近な川がワンダーランドに!
目次
第1章 川っぷち観察の入口
第2章 水辺・水中への視点
第3章 三面護岸河川「ガタ」
第4章 動物たちの回廊としての川
第5章 川ミミズとの出会い
最終章 武蔵野の川っぷちで考えた
著者等紹介
若林輝[ワカバヤシテル]
1972年、東京都生まれ。父に連れられ多摩川・是政橋周辺でクチボソとダボハゼ釣りをしたことが水辺好きの始まり。以来、武蔵野台地の空き地や水辺が遊び場に。東京水産大学(現東京海洋大学)で修士課程まで「サケ科魚類の産卵行動および仔稚魚期の種間干渉」を学ぶ。釣りなどの自然活動をテーマに雑誌や書籍の企画・編集・執筆・出版を行う編集プロダクション兼出版社「RIVER‐WALK(リバーウォーク)」代表。社名を冠した川歩きと渓流釣りの雑誌『RIVER‐WALK』を発行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
18
年末の登山用品屋で出会った素敵な自然観察記。埼玉南部の柳瀬川・黒目川の二河川を中心に、釣り好きの著者が並々ならぬ好奇心と愛ある眼差しで見た野生動物たちの生態をつづる。両河川が接続する新河岸川が東京湾まで堰などがない、自然の循環を残す貴重な川だと初めて知った。仕方のない面もあるとはいえ、人間の都合で変えられゆく町中の自然を舞台にどっこい逞しく生きる鳥、獣、魚などの姿は健気でユーモラス。著者もしかりで死んだばかりの新鮮な天然ウナギを食べてみるチャレンジなど笑いを誘う節も。癒しと気付きをもらえる楽しい一冊。2022/01/07
Nao Funasoko
17
著者は東京水産大学修士課程を経て釣りや自然活動をメインとする編プロ・出版社代表の肩書を持つ。 その視点には「なるほどなあ」と頷く点も多い。私自身も釣りも一通りやってきたし、今はバードウォッチングを中心に身近な自然観察が好きなのでとても参考になる一冊だった。 それにしても同じ埼玉県で電車で30分足らずの場所なのに川の景観や様子は随分と違うもんだな。いずれ機会を見つけて訪れてみよう。2022/02/02
village green
3
タイトルに惹かれて手に取ったが、期待を裏切らない面白さだった。軽いフットワークと粘り腰を兼ね備えた生きものウォッチングの巧手による観察/考察が見事。わけても「川ミミズとの出会い」の章は知的スリルに満ちている。2022/01/28
志村真幸
2
著者は釣りや生物といったテーマを扱ってきた人物。 本書は著者の住むすぐそばにある黒目川、柳瀬川周辺(埼玉県)を舞台に、さまざまな生物を観察した記録である。小魚を狙うコサギがオオタカに捕食される現場を目撃したり、ニゴイの産卵を観察したり、水底にすむミミズを研究してみたり、亀の種類による行動の差を気にとめたり。 こんな町中に豊かな自然環境が残っているのかと驚かされる。著者が何年も通いつづけ、じっくりと観察してきたからこその発見であり、成果なのだろう。 生きものたちの生態が生き生きとスケッチされている。2022/12/06
らむし
2
読んでみた後、意識して川沿いには何種類ぐらい鳥がいるのかな?と思い出かけたら12種類いて驚いた。普段気にしてないだけで自分の住んでるエリアにも沢山の動物が住んでいるのだと感じた。本書に出てくるイノシシについての話だが、大宮や、川越の川沿いには生息してるので、新河岸に流れてもおかしな話ではないと思う。オオタカがカラスに追われる話があるが、若い鷹は必ずといっていいほどカラスのイジメをうけるらしい。よく見る。最後になりますが栃木県のカラスは凶暴。鳩を捕まえてその場で毛をムシり食い始めたのを見たことある。2022/06/05