目次
はじめに 「まだまだやりたいことがある」と同時に「いつお迎えが来ても応じられる」ように
1章 咋日の自分よりも、今日の自分のほうができる
2章 情けない老人になっていないか
3章 身体の感覚を取り戻す
4章 人生を助けてくれる「技」
5章 気づきを生活にいかす
6章 死ぬそのときまで納得して生きるために
おわりに 人間にとって「自然に生きる」とは
著者等紹介
甲野善紀[コウノヨシノリ]
1949年東京生まれ。武術研究者。20代の初めに「人間にとっての自然とは何か」を探求するため武の道に入り、1978年に「松聲館道場」を設立。以来、剣術、抜刀術、杖術、槍術、薙刀術、体術などを独自に研究する。2000年頃から、その技と術理がスポーツに応用されて成果を挙げ、その後、楽器演奏や介護、ロボット工学などの分野からも関心をもたれるようになった。2006年以降、フランスやアメリカから日本武術の紹介のため招かれて講習を行なう。2007年から3年間、神戸女学院大学の客員教授も務めた。2009年から森田真生氏と「この日の学校」開講(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ヒロの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
34
コロナへの反応を見て、多くの高齢者に2つの意味で失望した。著名人も身近な人も含めて。ひとつはテレビや政府の言うことを疑わず鵜呑みにする姿勢(戦時中の日本を全体主義と批判しつつ、現在進行形のそれに加担している)。もうひとつは死生観。今の若者はとか昔は良かったと言いがちな方々に、じゃああなた方は昔の日本人の長所を持ち合わせているのですかと問いたかった。でも私がそれを彼らに言うのは憚られる。高齢者に苦言を呈してくれる高齢者を尊敬する。著者もそのひとり。死生観と心身の鍛錬は連動する。禅の本を読むだけでも違うはず。2022/04/07
すしな
19
109-22.年長者は世間の喧騒から離れて、達観した知恵をもたらす存在として敬われてきたわけですけど、最近の老人は目先のことに囚われすぎていないか?という問いかけで始まります。もともと長生きする人は身体感覚に秀でていたわけですけど、いまは栄養状況の改善や医療の発達で、成熟しないまま年をとってしまうことができるようになったんでしょうね。本書では、如何にして感覚研ぎ澄ますかということについて、プラクティスを交えながら、人間本来の生き方を考え直すことができる内容でした。2022/08/22
ソラーレ
11
日本武術研究家。70歳になっても自分の武術は日々成長を実感しているという逞しい人物。著者曰く「人生の最大の楽しみは、本当に話の通る人たちと交流することではないか」という意見に共感した。自分の考えを多数派に合わせてのみこまれてしまわない。誰かにゆだねることなく自分自身で考えていきていれば、少数ながら共感してくれる人たちとの出会いがあり、普段ではなかなか出会えない人や場面に遭遇することができるという。人生の最大の楽しみは、本当に話の通る人たちと交流する。そんな自由な生き方をしたいなぁ。2023/09/26
RingWondeRing
7
なんかセルフイメージが40歳前後で止まってて、ここ数年ず〜と「60歳・還暦・定年と言ったら20年後か。これからの20年でどれだけ変わっていけるだろう。」と頭の中で唱えてた。しかし、なんかいつの間にかあと10年ちょっとやん。だめだこりゃ。もうこうなってくると「50代をいかに過ごすか」的な本を読むよりもっと先を見据えたこの本を読んで、70歳から逆算だな〜って。甲野先生は、70歳をすぎた今が一番技が冴えてるって。これから老いていくにあたり、ずっと成長していける分野を選んで打ち込むことも必要かなって思う。2023/09/17
よし
5
「人間が歳を重ねた先であるべき姿の一つは、まだまだやりたいことがあるという心持ちといつお迎えが来ても応じられるという心持ちを同時に持ち合わせることはないか。」古稀を迎えた甲野氏の偽らざる新境地。「 若い時よりも今の方が 技が進化している」という驚き。2023/09/11