内容説明
里山の価値に光を当てた名著復刊!陣馬山麓・相模湖畔に移住した都会育ちの山岳写真家が、裏山の自然に学び、遊ぶ十二ヵ月。底本に加筆し、再編集。
目次
1月 去年今年
2月 春隣
3月 春風駘蕩
4月 復活祭
5月 限りなく美しき
6月 梅時雨
7月 梅雨のあとさき
8月 星夜
9月 小さな秋
10月 秋闌けて
11月 晩秋初冬
12月 冬景色
著者等紹介
三宅修[ミヤケオサム]
1932年、東京生まれ。東京外国語大学タイ学科卒業後、明治生命、山の芸術誌「アルプ」編集室勤務を経て、64年にフリーの山岳写真家として独立。67年、日本山岳写真集団の創立に参加し、80年まで代表を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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橘
8
夢見がちな青年が裏山で出会う、四季折々の麗しい自然。そこでは花は単なる花でなく、初恋の女性や憧れの貴人となる。自然が失われつつあるまさに今、読まれる意義がある。2017/04/30
里山輪太郎
3
月毎に裏山(低山)で観られる動植物をちょっと文学的に、具体的に紹介しています❗とても身近に面白い生態をした動植物がいるものだと感心し、山に入る楽しみが増えました❗動植物の名前は左の耳から右の耳に抜けてしまい覚えられません(^_^;)2017/04/04
まんぼう
2
同じまちで暮らす著者が書いた裏山の四季折々のようすは、瑞々しく、実感を伴って胸に迫ってくる。一方、これが書かれてから何十年という月日が経った今、見られなくなった植物、鳥がいたり、気温の感覚がややずれて感じられるところがあるのを、比較できるのも面白い。野生動物が里に下りてくるようになったこと、いなかったヒルが繁殖していること、震災やリニア工事の影響など、改めて向き合いたい課題が浮き上がる。しかしそれ以上に、自然界をくまなく見つめ、イマジネーションを膨らませる、ひとりの人の好奇心と美しさが、嬉しい。2017/04/28