内容説明
闇のベールをかぶって相手の目をかすめ、奇襲的に攻撃をかける夜間戦闘機。基礎工業力に裏付けられた電波兵器を使ったヨーロッパと違い、斜め銃と自分の技倆、度胸を頼りに戦わなければならなかった日本海軍の夜の搭乗員たちはどのような戦果をあげたのか。その交戦の凄まじさと彼らを支えた地上員たちの姿を描く。
目次
1 双発遠距離戦闘機の挫折(流行はヨーロッパから;開発への動機 ほか)
2 夜間戦闘機、ラバウルで誕生(豊橋基地の陸偵分隊;斜め銃を思いつく ほか)
3 部隊編成すすむ(「あれはだめ」な二式陸偵;球型銃塔型は試作止まり ほか)
4 マリアナをめぐって(残留機のがんばり;トラック上空で闘う ほか)
5 本土防空戦の開幕(北辺の戦場;訓練は美幌で ほか)
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ] 
昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
9
          
            日本海軍の夜間戦闘機・月光がどんな経緯を経て誕生し、ラバウル上空での大活躍からその後悪化の一途を辿る戦局の中でいかに戦っていくかを描く力作。欧米並みの電波兵器なき夜間戦闘という危険な任務に果敢に挑む搭乗員達を始め、技術者等月光に関わった人物達も一人も漏らすまいという気迫で描かれる。その中でも特筆すべきは夜戦月光の父と言える第251空司令の小園安名中佐の存在だろう。月光の主兵装となる20㎜機銃の変則装備・斜め銃を考案し、海軍組織の常識の壁を突破して実現にこぎつける企画実現力は軍人であるか否かを措いて日本人 2024/12/28
          
        


 
               
               
               
              


