内容説明
高度なテクノロジーが支配する現代に、原初的な恐怖を掘り起こして社会現象なった「山怪」を体験せよ!ベストセラー『山怪』第三弾、顕現!!
目次
1 戸惑いの森(優しい狐と幻の椿;浮き上がる人;魂との遭遇 ほか)
2 闇へ続く道(座敷わらしと山の神;追いつけない鈴音;片品村の出来事 ほか)
3 霊域の生活(火の玉ラッシュアワー;ツチノコの里;追いかけてくるモノ ほか)
著者等紹介
田中康弘[タナカヤスヒロ]
1959年、長崎県佐世保市生まれ。礼文島から西表島までの日本全国を放浪取材するフリーランスカメラマン。農林水産業の現場、特にマタギ等の狩猟に関する取材多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイランド
86
都市伝説ならぬ奥山伝説。一方はとめどなく増えていくばかりだが、こちらは消えていく一方。人が減り益々異界の趣を濃くする山里だが、怪異を語る人も聞く人も、それを伝える人もいなくなる。だからこういう本は貴重だし、読んでいて楽しい。今はいなくなった爺婆の炉辺語りを聞くかのようである。怖がらせようとか、信じさせようとしておらず、さりげなく聞いた話を書きましたという姿勢が好ましい。葬式が寺ではなく斎場で営まれるようになって人魂の目撃が減ったという話はなるほど。その分正体不明の火球の話が多く掲載。夜に読むとしみじみ。2018/11/16
たいぱぱ
77
山村に住む人、マタギなど山人に聞き集めた不思議話集、第3弾。あとがきにあるように「巷に溢れかえるパターン化された話とは違う味わい」がこのシリーズの魅力です。何でもかんでも心霊現象に結びつけては面白くない。わからないところに浪漫がある・・・かも。第3弾では、「丑三つの少女」「叫ぶ女」「赤い部屋」がインパクト大。真夜中の山中でライトに浮かびあがる白い服着た少女を想像してみてください。シンプルだが超ビビる。廃村で廃屋に向かって叫ぶ女もそうだが、[山奥と女]の組み合わせはヤバい。2019/08/26
ポチ
55
山人が語る不思議な話の第3巻。狐・狸、火の玉などの話は前巻から引き続きあるが、白い服を着た女性の話など、人絡みの話は夜中に読んでいたので怖さが倍増。2018/10/20
よこたん
52
“その人が後で言うには、何でも山の中で立派な家があって、綺麗な女の人に素麺をご馳走になったと。” ああ、ミミズ素麺こわい。山やふもとの里でかつてあったという、不思議な出来事の聞き書きも三冊目。朴訥な雰囲気がたまらなく好き。火の玉の目撃談や、狸に化かされる話が多め。けど、山で出合う人ならぬ人や、夜のテントの周りをグルグル回る足音にゾッとする。こんなところで…という場所から消え失せる人。山に入るときはそれなりの覚悟をして入るべきなのだなあと思った。次も出ますように。 2018/12/06
てっちゃん
42
山怪シリーズの3冊目。取り立てて派手な話はないけれど、実に味わい深い山の怪奇話。動物系の話はご愛嬌で、怖いのは時々挟まれる人間系の話。奥深い山の中で、一人で叫んでいる女とか、絶対に通行不能な場所にあるスーパーカブとか想像するとかなり怖い。2022/09/24