内容説明
採集は単独行?飼育方法がわからない!論文書くのツラすぎる!時間もお金も足りない!だけどやっぱりゴキブリは面白すぎる!!!相棒“G”と研究の道をゆけ!注目の若手研究者による行動生態学の最前線と研究世界の歩き方。超細密イラストは著者描き下ろし!
目次
第1章 やんばるの地に降り立つ
第2章 謎の行動、翅の食い合い
第3章 三度の飯より研究
第4章 クチキゴキブリ採集記
第5章 実験セットを構築せよ!
第6章 戦場でありフェス、それが学会
第7章 翅は本当に食われているのか?
第8章 論文、それは我らの生きた証
第9章 ゴキブリの不可思議
第10章 研究者という生き物
著者等紹介
大崎遙花[オオサキハルカ]
1994年生まれ。日本に現存する唯一のクチキゴキブリ研究者。九州大学大学院生態科学研究室博士課程を修了後、京都大学を経て、2023年よりノースカロライナ州立大学で研究を行う。日本学術振興会特別研究員CPD(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
98
(2024-37)【図書館本】嫌われ者の代表のようなゴキブリ。普段は「昆虫LOVE」な私でも嫌な存在だ。だが、世の中のゴキブリの99%は人里離れた森の中でひっそりと暮らしているという。そんなクチキゴキブリに魅了され、世界唯一のクチキゴキブリ研究家となった虫愛でる姫。オタク度満載、ゴキブリ愛がたっぷりと詰まった本書。これを読めば貴方も明日からゴキブリLOVE!に……なれるかはわからないが、著者が本当に研究が好きで好きでたまらないということが伝わってくる一冊。実に面白かった。文句無し五つ星!★★★★★2024/03/12
アナーキー靴下
49
読み終えてみて、いいタイトルだな、と思う。著者はクチキゴキブリの研究者。研究対象の生態話を交えつつ、研究者になるまでの軌跡を記した内容。でも著者のあり方は「好きなことを仕事にして生きていく」ための覚悟を持った歩み方で、研究者に限らない、とても大事なことを教えてくれる。どんな分野でもコミュニケーション力は重要とはいえ、世の中って捨てたもんじゃなく、困っている人を助けてくれる人はたくさんいる。ただ何に困っているかわからなければ助けようがない。だから自分の進む先を見据えた人には、自然と道が拓けていくと思う。2024/10/22
のぶのぶ
35
「博士号を取得 この人は、研究ができる、つまり論理的思考力も問題解決能力も企画立案能力もありますという国際的ライセンスが得られる。」読んでいくと、自分は、学生時代どうしても受動的なことが多かった。社会人になり、能動的なことも増えていったように思う。物理学者ファインマンさんの著書を読むと研究者同士のおしゃべりは憧れる。クチキゴキブリがつがいで子育てをすることや翅を食べ合うことも初めて知った。翅をコーティングし、食べ合うことがんなかったらの実験は面白く新たな発見を生んでいく。考えることの面白さを感じた。2024/03/27
みなみ
23
日本で唯一のクチキゴキブリ研究者が、分かりやすくクチキゴキブリの面白さを紹介する本。採集・飼育から実験セットの構築、撮影、そして論文投稿や学会発表まで、研究者のリアルな姿がよく分かった。クチキゴキブリが見せる謎の行動「翅の食い合い」がなぜ起こるのかを考えるのは、著者の言うとおり面白いものの、人生を捧げるのはすごい。2024/12/07
とんかつラバー
20
交尾後に翅を食べあうクチキゴキブリの研究の本だが、生態や実験だけでなく研究や論文の苦労が書かれている。研究者というと年配者なイメージだが、研究道具をAmazonで注文し、文明の利器は使えるものは使う、AIもいずれ使いたい(大嫌いな英語の論文作成に)若い感性がおもしろい。独特の文体も良い「ゴキブリからしたら狂気的な変態である。見合い相手を選び、スケスケの愛の巣まで与えて出会いからすべてを記録しているのだ」2024/06/06
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- 和書
- 自己教育力を育てる先生