内容説明
古代ローマ帝国の後継者として、かつては地中海を内海とする勢力を誇ったビザンティン帝国。滅びた帝国への旅は、私たちに「もう一つのヨーロッパ」という視点を与えてくれる。黄金のモザイク、紺青のフレスコは何を語り出すだろうか。
目次
第1部 ビザンティン世界の歴史と美術(ビザンティン帝国とは何か;ビザンティン・ギリシア・日本;キリスト教美術の始まり―初期の聖堂と美術;神を描くことはできるのか―イコノクラスムへ ほか)
第2部 ビザンティンの史跡を訪ねて(トルコ;ギリシア;マケドニア;セルビア ほか)
著者等紹介
益田朋幸[マスダトモユキ]
1960年生。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。Ph.D(テサロニキ大学)。現在、早稲田大学文学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
組織液
5
「モザイクの良さは写真では伝わらない」的なことを仕切に言ってましたね() うーん生で見てみたいなぁ… 個人的にはふくろうの本の『図説 ビザンツ帝国』の方が好きでしたが、これはこれで面白かったです。テサロニキのアヒロピイトス聖堂では、蓮華が天国を象徴する植物として描かれており、仏教とキリスト教の交流がわかると言ったような記述には興奮しましたね。いやほんとラヴェンナとかパレルモ行きたい…2021/10/08
じょあん
4
ビザンティンの聖堂を旅する一冊。 ビザンティン美術を専門とする著者の手になるだけあって、 聖堂の装飾が全体の中でどのような意味をもっているのか、そのプログラムが分かりやすく解説されている。また、ビザンティン美術が古代からの技術の衰退ではなく、古代とは目指すものが異なり、写実と抽象の微妙なバランスがとれている美術であるということが解説される。 写真も豊富で、カラーのものも多い。ただ、文章の説明のみの聖堂や聖画像があって、ここに図版があればと思う場面も少なくない。が、それはさすがに求めすぎというものだろう。2023/08/13
Quijimna
0
★★★☆☆2007/04/22