出版社内容情報
礼の3部書、いわゆる3礼に周礼・儀礼・礼記がある。中国古代の官制を記した周礼、また士人の冠婚葬祭に関する礼儀を記した儀礼に対して、礼記はさらに進んで、礼に道徳的精神的意義を与えた。唐代以後儀礼に代わって5経の1に列する。大学・中庸も、本来礼記中のそれぞれ1篇を成すものであり、なかでも「楽記」・「月令」・「学記」等の緒篇は、東洋の芸術観・自然観や教育の本質を探る上で、重要な現代的意義を提供する。
目次
曲礼上第一
曲礼下第二
檀弓上第三
檀弓下第四
王制第五
月令第六
曾子問第七
文王世子第八
礼運第九
礼器第十
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔
9
四書五経のうちのひとつ。名前の通り礼について書かれた書物。ベースは孔子なので儒教色強め。上巻は冠婚葬祭とか儀式的なものが多い印象。昔の中国の風習が書かれているので、日本の風習もそこまで覚えていない身からするとよくわからんというところが多めになってしまう。あと古い漢字が多いので読んだ先から読み方を忘れてしまい戻って確認というのを何度も繰り返しがち。礼記の内容の中に、「礼を強要するものではなく、自分の実践している姿を見せることで真似されるようになれ」とあるのは共感できる。昨今のマナー講師は見習ってほしい。2022/08/12
CCC
4
名前の通りマナー集、と捉えていいのだろうか? 細かすぎる儀礼手順や、逆に何でこれを書かなければいけないのだろうと思えるような事まで、書いてある事のレベルの幅が広い。2015/06/22
すいれん
0
必要になったら図書館で借りてるけど、古い刷でいいから手元に置いておきたい…。なんか、いきなり値段が上がってる気がするのは…気のせい??このクオリティで文庫化してくれたらめためた嬉しいのだけど。2013/10/16
澄川石狩掾
0
礼儀のことばかりと思いきや、「苛政は虎よりも猛なり」の故事など興味深い話も収録されていた。2022/09/02
MSTR
0
そもそも「礼」とは、上位者が自分より下の者をつくり、従属させる手段であり、無能な上位者は、その優位性から自分本位(年功序列や男尊女卑)で弱者を統べようとするが、それでは礼は成らない。君子は、下の者をよく把握して、それに見合う無理をさせない対応を以て和を図り、礼を為す。 本書をよく読んでみると、何々流礼法だとか、正しいビジネスマナーだとか、上流階級ぶった作法の嘘くささが見えてきて面白い。 但し、大漢和辞典等で字義を確認しながら読めば、謂わんとするところが分るので、図書館でのんびり見るのがよいでしょう。2022/07/13