出版社内容情報
折原 浩[オリハラ ヒロシ]
著・文・その他
内容説明
保身にはしる教員、軽薄な「寵児願望」院生の跋扈―。独立行政法人化などで揺れる現下の大学院・研究教育機関の実態に広く関心を喚起し、欠陥の是正と責任性の回復を訴える。
目次
第1章 原論文提出から学位認定まで(表題他の変更;学位認定までの研究指導―対極二仮説の提示;注目を引く一事実―謝辞群中に主査/専攻主任の名がない ほか)
第2章 審査報告書「「論文」内容要旨」の検討(「内容要旨」の構成;前置きに顕れた「二重焦点」とその意味;「ピューリタン的calling概念の起源」の二義―「語源」と「宗教的/救済論的起源」 ほか)
第3章 審査報告書「審査要旨」の検討(誤字・脱字・悪文―「投げやりな」審査要旨;杜撰な審査報告書で「文学博士」量産か;審査委員の「倫理」論文理解は「トポス」論議水準 ほか)
著者等紹介
折原浩[オリハラヒロシ]
1935年東京に生まれる。1958年東京大学文学部社会学科卒業。1964年東京大学文学部助手。1965年東京大学教養学部専任講師(社会学担当)。1966年東京大学教養学部助教授。1986年東京大学教養学部教授。1996年東京大学教養学部定年退職。名古屋大学文学部教授。1999年名古屋大学文学部定年退職。椙山女学園大学人間関係学部教授。2002年椙山女学園大学人間関係学部退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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柳田
9
一般的な大学の話だと思って買ったら羽入辰郎批判の本だった。羽入先生がヴェーバーの『プロ倫』を文献学的に批判、それに対して折原先生が反批判の本を何冊も出し論争になったというもの。羽入著は未読だが、大学院の「大衆化」は関係ないのでは… しかしこういうのは『知の欺瞞』と同じで、自分で原典にあたってことの真偽を確かめるのは困難だ。『プロ倫』も読んだことないのはまずいが… だからまあ教訓的に受け取るしかない。羽入著もいずれ。しかしなんか読みにくかった。ちょこちょこでてくる「実存的」ってどういう意味で使われてるんだ。2018/08/19