出版社内容情報
第二次世界大戦中の日本の外交官、杉原千畝は、ナチスから迫害されたユダヤ人が助けを求めてきたとき、日本政府の命令に背いて彼らにビザを出した。その結果、6000人もの命が救われたが、政府の命令に逆らったことが一因で、彼は戦後、外務省を追われた。のちに日本政府は彼に謝罪し、千畝は名誉を回復した。どうして彼はビザを出す判断をすることができたのか。ジャーナリストである著者の疑問が杉原の実像に迫る。
内容説明
運命のビザ発給。本書の執筆を依頼されたまさにそのとき、イスラエルがガザ地区を空爆、地上侵攻し集団虐殺といわれる行為を開始しました。ナチスから虐殺されたユダヤ人がなぜパレスチナの人を虐殺するのか、といぶかります。杉原ならどう考えるでしょうか。
目次
第1章 命がけの人々を前に(生きるための逃走;戦乱のなかでの赴任;運命のその日)
第2章 決断の現場を見る(歴史は語る;忘れてはならない)
第3章 若き血は燃えて(故郷を出て;初めての異国)
第4章 毅然とした外交官(外交官の本領;敗戦の悲哀)
第5章 外交官を辞めさせられて(退職を強要される;苦労が報われた;生き延びた人々は)
著者等紹介
伊藤千尋[イトウチヒロ]
1949年、山口県生まれ。71年にキューバでサトウキビ刈り国際ボランティアに参加。73年、東京大学法学部を卒業、「東大ジプシー調査探検隊」隊長として東欧を調査。74年、朝日新聞社に入社。東京本社外報部などを経て、84~87年サンパウロ支局長、88年『AERA』創刊編集部員を務めたあと、91~93年バルセロナ支局長、2001~04年ロサンゼルス支局長。現在はフリーの国際ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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