内容説明
合議と強制の執権政治。若き時頼の苦闘と安らぎ。
目次
第1章 京に生まれ鎌倉に育つ
第2章 兄・経時の執権政治
第3章 不穏と不安の鎌倉政界
第4章 宝治合戦の勝者と敗者
第5章 時頼がつくる鎌倉
第6章 公儀の幕府へ
第7章 最明寺入道の世界
第8章 時頼の死去と伝説の発生
著者等紹介
山本隆志[ヤマモトタカシ]
1947年群馬県生まれ。現在、筑波大学名誉教授。博士(文学)(筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
10
前に人物叢書で読んだ時頼の評伝と似た感想かな。執権として真摯に政務に取り組む姿勢と、仏教への傾倒が著しい部分が印象に残る。本人曰く「誤りて」執権の地位に就いたが故、自らの正当性を公平な職務で示さねばならない強い義務感のようなものも感じる。また父・兄・妹と近親者がみな早世しているのも、仏道に救いを求める要因の一つか。自身も37歳の若さで亡くなっているが、宋から伝来の丹薬を内服していたのが原因ではないかという指摘は面白い。重時、政村ら一門の支えを得ながら、祖父・泰時の理念を形にした名執権である。2024/04/15