出版社内容情報
『正義論』で知られるジョン・ロールズ(一九二一~二〇〇二)。「無知のヴェール」「重なり合うコンセンサス」などの独創的な概念を用いて、リベラル・デモクラシーの正統性を探究した。本書はロールズの生涯をたどりつつ、その思想の要点を紹介する。彼が思想とした社会とはどのようなものだったのか。また、批判にどのように応答し、後世にどのような影響を与えたか。戦争体験や信仰の影響、日本との意外な関係などの歴史的背景もふまえ、「政治哲学の巨人」の全貌を明らかにする。
内容説明
米国の政治哲学者ジョン・ロールズ(1921~2002)。1971年刊行の『正義論』において、独創的な概念を用いて構築した「公正な社会」の構想は、リベラリズムの理論的支柱となった。「平等な自由」を重視する思想はいかに形成されたか。太平洋戦線における従軍体験、広島への原爆投下の記憶がロールズに与えた影響とは。最新資料から81年の生涯を捉え直し、思想の全体像を解読。その課題や今日的意義にも迫る。
目次
第1章 信仰・戦争・学問―思想の形成期
第2章 『正義論』は何を説いたか―現代政治哲学の基本思想
第3章 「リベラルな社会」の正統性を求めて―『政治的リベラリズム』の構想
第4章 国際社会における正義―『万民の法』で模索した現実主義
第5章 晩年の仕事―宗教的探究と「戦争の記憶」
終章 『正義論』から五〇年―「ロールズの理想」のゆくえ
著者等紹介
齋藤純一[サイトウジュンイチ]
1958年福島県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、早稲田大学教授。2016‐2018年、日本政治学会理事長
田中将人[タナカマサト]
1982年広島県生まれ。2013年、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。現在、高崎経済大学・拓殖大学・早稲田大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
パトラッシュ
trazom
樋口佳之
Sam