出版社内容情報
戦後高度成長期以降、日本的経営の特質および一般性と特殊性をめぐる研究が盛んに行われてきた。1990年代から2000年代初めには、日本的生産システムにおける労働と管理がその焦点となり、ポストフォーディズム論争、小池‐野村論争、さらにはブレイヴァマン・テーゼの有効性の検討をはじめとした様々な論議が展開された。
しかしながら、その後、日本企業における経営・管理の変容に伴って、こうした論議は、その決着を見ないままに棚上げにされてしまった。その一方で、こうした論議を総括して現在にいたる変容過程の含意を理解することは、今後のその態様を考える上でも肝要であると考えられる。
そこで、本書では、日本的生産システムにおける労働と管理の変容過程を実態調査に基づいて解明しその含意を探ることを試みることで、係る研究課題に取り組んだ。
内容説明
戦後高度成長期以降、日本的経営の特質および一般性と特殊性をめぐる研究が盛んにおこなわれてきた。1990年代から2000年代初めには、日本的生産システムにおける労働と管理がその焦点となり、ポストフォーディズム論争、小池‐野村論争、さらにはブレイヴァマン・テーゼの有効性の検討をはじめとした様々な論議が展開された。しかしながら、その後、日本企業における経営・管理の変容に伴って、こうした論議は、その決着を見ないままに棚上げにされてしまった。その一方で、こうした論議を総括して現在にいたる変容過程の含意を理解することは、今後のその態様を考える上で肝要であると考えられる。そこで、本書では、日本的生産システムにおける労働と管理の変容過程を実態調査に基づいて解明しその含意を探ることを試みることで、係る研究課題に取り組んだ。
目次
序章 日本的生産システムと労働をめぐる論点と課題
第1部 技術・技能の相補性と分業・協業関係(技術・技能の相補性とフレキシビリティ;TPM・保全業務における職種間分業・協業関係;標準作業決定過程における分業・協業と「受容」)
第2部 技能系人材養成と「参画」過程(技能系人材養成制度と資格・職位・賃金体系;企業内訓練校の目的と役割;改善をめぐる能力形成と「参画」過程)
第3部 日本的生産システムと労使関係(ポスト・フォーディズム論争と労使関係;「協調的」労使関係と生産システム)
第4部 労働力構成の変化と生産システムの変容(非正社員化と労務管理;非正社員化問題と労使の対応;外国人労働者の増加と労働問題;労働力不足と作業組織の改編;ブレイヴァマン・テーゼは止揚されたのか?)
著者等紹介
小松史朗[コマツフミアキ]
1970年マレーシア国クアラルンプル生まれ。2002年立命館大学大学院経営学研究科・博士課程後期課程単位取得退学。近畿大学全学共通教育機構・准教授を経て、現在、近畿大学短期大学部・教授。受賞歴:2007年労務理論学会賞・研究奨励賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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