シリーズ・人と文化の探究<br> 吉野作造と柳田国男―大正デモクラシーが生んだ「在野の精神」

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シリーズ・人と文化の探究
吉野作造と柳田国男―大正デモクラシーが生んだ「在野の精神」

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  • サイズ A5判/ページ数 330p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784623081615
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C3310

出版社内容情報

「帝国」日本における共同社会のあり方とは…… 普遍と固有を問い続けた大正知識人の思索。「大正デモクラシー」の学問といえば柳田民俗学がその象徴とされてきたが、吉野作造の明治文化研究も在野性や反権力性が論じられてきた。本書では、吉野の「民本主義」論、東アジア論の全体から明治文化研究を読みなおし、その学問の本質を明らかにする。また柳田の思想をキリスト教精神、アカデミズム、政治という観点から再検討し、両者の学問に通じる第一次世界大戦のインパクト、普遍性への希求という特徴を明らかにする。

はしがき



序 章 吉野作造と柳田国男の比較研究

 1 吉野と柳田の思想比較

 2 研究の対象時期とテーマ・時期区分





 第?部 「大正デモクラシー」と宗教精神



第一章 吉野作造における「国体」と「神社問題」??キリスト教精神の普遍化と国家神道批判

 1 「内面的権威」と「服従」

 2 キリスト教と国家との対立・調和

 3 「国体」の普遍的基礎としての宗教精神

 4 神社問題に対する批判

 5 普遍的で合理的な「道徳」による「国体」の改造



第二章 柳田国男における民間「神道」観の成立とキリスト教??「国民倫理」形成と神社合祀政策批判

 1 民間「神道」研究への道のり

 2 キリスト教と「幽冥教」の狭間で

 3 山人の実在と境の神信仰の探求

 4 民間「神道」発見におけるキリスト教の役割



第三章 柳田国男における「固有信仰」と「世界民俗学」??キリスト教との関連から

 1 「母子神」と聖母マリア

 2 「固有信仰」とJ・G・フレイザー??「母子神」信仰を中心に

 3 『桃太郎の誕生』とキリスト教

 4 日本の「固有信仰」の特徴と「世界民俗学」

 5 「固有信仰」とキリスト教





 第?部 現実の政治認識と学説



第四章 1920年代の柳田と吉野の政治思想??「共同団結の自治」と「政治的自由」

 1 「大正デモクラット」の共通点と相違点

 2 植民地統治政策および移民政策批判

 3 「国民総体の幸福」と「国民の自由」

 4 両者における「政治」



第五章 「デモクラシー」と「生存権」??吉野作造と福田徳三との思想的交錯

 1 「経済的デモクラシー」をめぐって

 2 黎明会以前

 3 第一次世界大戦観および「ソーシャル・デモクラシー」をめぐる論争

 4 吉野・福田の思想的交錯

 5 黎明会解散後

 6 「自由」と「自決」のデモクラシー



第六章 「共同団結の自治」実現への模索??「民俗」の価値および神道政策への提言

 1 「民俗」と民主国家及び戦争

 2 普選と産業組合における「親方制度」の影響

 3 口語教育による「民主主義」育成

 4 大政翼賛会と柳田民俗学

 5 無格社整理問題に対する筧克彦意見と柳田

 6 「共同団結の自治」実現のための政策の提唱



第七章 吉野作造の「現代」政治史研究??政治史講義を中心に

 1 「明治文化研究」の再検討

 2 社会変革思想としての「民本主義」

 3 中国革命史研究から日中関係の展望へ

 4 明治維新期の民間世論と立憲君主制

 5 尾佐竹猛『維新前後に於ける立憲思想の研究』との比較

 6 「民本主義」の世界史的展開の構想



第八章 「郷土研究」とアカデミズム史学??「神話」研究の再興及び歴史資料論

 1 柳田民俗学とアカデミズムの関係再考

 2 久米邦武事件後の記紀神話・民間信仰研究

 3 歴史資料論における「郷土研究」とアカデミズム史学

 4 中世史開拓における協同と「伝説」の史的価値をめぐる対立





終 章 「大正デモクラシー」の学問の特徴

 1 キリスト教・「帝国」日本・歴史

 2 「大正デモクラシー」の学問の特徴と現代



補 章 「新しい歴史学」と「我々の文化史学」

 1 「文化史」=歴史学界の新潮流

 2 『史学雑誌』・『史林』・『史学』彙報欄の「民俗学」

 3 「新しい歴史学」と柳田国男

 4 実証主義に基づく国民「文化史」の構築





主要参考文献

あとがき

事項索引

人名索引

田澤 晴子[タザワ ハルコ]
著・文・その他

内容説明

「大正デモクラシー」の学問といえば柳田民俗学がその象徴とされてきたが、吉野作造の明治文化研究も在野性や反権力性が論じられてきた。本書では、吉野の「民本主義」論、東アジア論の全体から明治文化研究を読みなおし、その学問の本質を明らかにする。また柳田国男の思想をキリスト教精神、アカデミズム、政治という観点から再検討し、両者の学問に通じる第一次世界大戦のインパクト、普遍性への希求という特徴を明らかにする。

目次

吉野作造と柳田国男の比較研究
第1部 「大正デモクラシー」と宗教精神(吉野作造における「国体」と「神社問題」―キリスト教精神の普遍化と国家神道批判;柳田国男における民間「神道」観の成立とキリスト教―「国民倫理」形成と神社合祀政策批判;柳田国男における「固有信仰」と「世界民俗学」―キリスト教との関連から)
第2部 現実の政治認識と学説(一九二〇年代の柳田と吉野の政治思想―「共同団結の自治」と「政治的自由」;「デモクラシー」と「生存権」―吉野作造と福田徳三との思想的交錯;「共同団結の自治」実現への模索―「民俗」の価値および神道政策への提言;吉野作造の「現代」政治史研究―政治史講義を中心に;「郷土研究」とアカデミズム史学―「神話」研究の再興及び歴史資料編)
「大正デモクラシー」の学問の特徴
「新しい歴史学」と「我々の文化史学」

著者等紹介

田澤晴子[タザワハルコ]
1966年東京都生まれ。名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程修了。岐阜大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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てれまこし

1
キリスト教思想の影響については吉野はともかく、柳田の方には比較するほどもない。帝国主義と歴史観をめぐる比較の方が面白いが、結論の歯切れが悪くて、なぜにこの二人を比較するのかわかりにくい。吉野はキリスト教的普遍主義から抜け切れず、脱帝国化の思想へ踏み出しながらも世界の文化的階層化を避けられない。他方、柳田は同化主義批判者であるが故に階層化には批判的だが、帝国については改造を要求するにとどまる?歴史観もキリスト教受容や帝国主義に対する態度と関係するはずだが、つながっていない。テーマとしては面白いのに惜しい。2018/06/30

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