出版社内容情報
スポーツにおける様々な性に関わる人権問題を取り上げ、ジェンダーの視点から、最新の情報をもとに現在の状況をわかりやすく解説する本書は、スポーツにおける様々な性に関わる人権問題を取り上げ、ジェンダーの視点から、最新の情報をもとに現在の状況をわかりやすく解説する。なぜそうした問題が起きるのか、解決の糸口を探る。
具体的には競技スポーツにおける「男性と女性」の構築、「一流と二流」の差異化、性的マイノリティの排除などを取り上げ、スポーツが性別二元制などの固定的な価値観から解放されていく道筋を読者とともに考えていきたい。スポーツとジェンダー学の全体像が把握できる入門書。
はじめに
? 基礎理論
1 スポーツとジェンダー・セクシュアリティ
2 ジェンダー概念の登場とその影響
3 スポーツにおける両性の「平等」と「公正」とは
4 エンパワーメント:その光と影
5 男らしさとセクシュアリティ
? 歴史とジェンダー
総 論
A 政治・権力のはざまで
1 近代スポーツの発展とジェンダー
2 帝国主義とジェンダー
3 戦争・スポーツ・ジェンダー:「人的資源」と体力の動員
B 競う場所を求めて
1 女子体育教員の登場
2 女性トップアスリートの登場
3 欧米社会における女性とスポーツ
4 日本における女性とスポーツ
5 スポーツ組織の発展とジェンダー(欧米)
6 スポーツ組織の発展とジェンダー(日本)
? 教育とジェンダー
総 論
A 教える
1 体育カリキュラムのポリティクス
2 保健体育教員とジェンダー
3 男女共修・男女共習
4 体育的学校行事とジェンダー
コラム1 「性的マイノリティ(LGBT)」への配慮
B 学 ぶ
1 幼児期の運動能力とジェンダー
2 子どもの運動能力とジェンダー
3 体育授業におけるジェンダーの生成
4 運動部活動・女子マネージャー
コラム1 学童保育とジェンダー
C 自分らしく生きる
1 子どもの遊びとジェンダー
2 スポーツ実践とジェンダー
3 ママさんスポーツ
4 健康とジェンダー:健康寿命へのアプローチ
5 社会的格差と女性スポーツ
? メディアとジェンダー
総 論
A 創られるイメージ
1 スポーツコマーシャリズム
2 スポーツマンガとジェンダー
3 モダンガールとスポーツ
B 読み解く力
1 メディア・リテラシー
2 新聞報道とジェンダー
3 メディアにおけるスポーツウーマンのイメージの変遷
4 映像メディア分析
5 少女雑誌とスポーツ
コラム1 語り手とジェンダー:女性のディレクターだから気づくことがある
コラム2 放送における性差別:元NHKプロデューサーの体験から
? スポーツをする権利とジェンダー
総論:スポーツにおける権利保障
A スポーツ政策
1 日 本
2 韓 国
3 オーストラリア
4 イスラーム圏
5 ドイツ
6 イギリス
7 フランス
8 フィンランド
9 カナダ
10 アメリカ
B スポーツ組織の方策
1 国際オリンピック委員会(IOC)
2 世界女性スポーツ会議
コラム1 日本の女性スポーツムーブメント(WSFジャパン)
コラム2 日本の女性スポーツムーブメント(JWS)
コラム3 競技スポーツ組織における女性の活躍:「女性は敵にあらず」
? スポーツ倫理とジェンダー
1 暴 力
2 性暴力,セクシュアル・ハラスメント
3 暴力・性暴力の防止指針
4 ドーピング
5 組織のジェンダーバランス
? スポーツイベントとジェンダー
1 オリンピックとジェンダー
2 パラリンピックとジェンダー
3 ゲイゲームズ・アウトゲームズ
4 開会式にみるジェンダー
5 ソチ冬季大会の同性愛問題
コラム1 女子800m走からマラソンまでの道
コラム2 国際大会におけるジェンダー:平等を目指した取り組みと課題
? ジェンダー化される身体
A 制度からの抑圧
1 男女のルール
2 総合格闘技の女子用ルール
3 スポーツウエアの変遷
4 性別確認検査
5 スポーツする身体の商品化
B 浮遊するジェンダー・アイ デンティティ
1 フィットネスクラブとジェンダー
2 ヨガの女性化
3 体力観の形成とジェンダー
4 理想の身体をつくること
5 ジェンダーを“プレイ”する
6 女子プロレスとジェンダーの変容
? 性的マイノリティ(LGBT)とスポーツ
総論:脱異性愛主義を目指して
1 性を変えたアスリート
2 二つの性に分けられぬ身体
3 ホモフォビアとトランスフォビア
4 参加を保障するための指針
5 〈新〉植民地主義とスポーツ
コラム1 リオ・オリパラに見る性的マイノリティ(LGBT)
? 多様性と体育・スポーツ
総論:価値の多様・多元化を求めて
1 アダプテッドスポーツ
2 体育教材の多様性
3 スポーツにおける男性領域・女性領域の崩壊
4 イスラームの女性スポーツ
コラム1 ワールド・ジムナストラーダ(世界体操祭)
コラム2 柔道における実践例:柔道未経験の女子体育教員の取り組み
? 研究の視点と方法
1 研究の視点と枠組み
2 歴史学的・社会学的アプローチに必要な視点
3 心理学
4 自然科学
5 量的調査
6 質的調査
7 尺 度
さくいん
飯田 貴子[イイダ タカコ]
編集
熊安 貴美江[クマヤス キミエ]
編集
來田 享子[ライタ キョウコ]
編集
目次
1 基礎理論
2 歴史とジェンダー
3 教育とジェンダー
4 メディアとジェンダー
5 スポーツをする権利とジェンダー
6 スポーツ倫理とジェンダー
7 スポーツイベントとジェンダー
8 ジェンダー化される身体
9 性的マイノリティ(LGBT)とスポーツ
10 多様性と体育・スポーツ
11 研究の視点と方法
著者等紹介
飯田貴子[イイダタカコ]
帝塚山学院大学名誉教授
熊安貴美江[クマヤスキミエ]
大阪府立大学高等教育推進機構准教授
來田享子[ライタキョウコ]
中京大学スポーツ科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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