出版社内容情報
40余年の研究を経て行き着いた、「接面パラダイム」という人間の内面を真正面から扱うことのできる新たな枠組みに迫る“周囲の人と交わり共に生きる”ことへの関心を研究の出発点とし、「人の生きる現場に赴いてその生き様に触れ、私の意識体験を現象学的に反省することから人の生の本質に迫る」ことを研究目的としてきた著者の集大成ともいえる一冊。処女作から30年を経た今、関係発達、間主観性、両義性、相互主体性という著者の導き出した理論的柱とエピソード記述をめぐるエッセンスを概観したうえで、いまだ未整理だった「接面」の概念、「接面の当事者」という新しい構想をとりあげ、対人実践へとつなぐあり方を考える。
序 章 「接面」の人間学のために
1 研究のスタートと基本となる考えの模索
2 「接面」の人間学に向けて
第1章 「接面」という概念が導かれるまで
1 現象学に惹かれる
2 関係発達という考え方に至るまで
3 関係発達論の第1主題:「間主観的に分かる」ということ
4 関係発達論の第2主題:両義性という考え方
5 関係発達論の第3主題:主体という概念
第2章 なぜ接面パラダイムなのか
1 「接面」の概念に至る経緯と二つの観察枠組みの違い
2 「接面」とは
3 エピソード記述と「接面」
4 「接面」と関係発達論の諸概念との関係
5 客観主義パラダイムと接面パラダイム
6 「接面」の人間学を展望する
第3章 「接面」とエピソード記述
1 「接面」、意識体験、エピソード記録
2 エピソードを描くことと「接面」
3 エピソード記述を読むことと「接面」
4 実践をエピソード記述に綴ることと「接面」
第4章 当事者研究のために
1 広義の「当事者研究」とは
2 書籍『障碍のある子とともに歩んだ20年』より
3 書籍『慢性腎疾患の子どもとその母親・家族の関係発達の諸相』より
4 論文「てんかんと発達障碍を抱えた子どもとその母親の関係発達の諸相」より
5 三つの当事者研究を読んで
文献一覧
あとがき
鯨岡 峻[クジラオカ タカシ]
*2016年11月現在京都大学名誉教授 京都大学博士(文学)
内容説明
“周囲の人と交わり共に生きる”ことへの関心を研究の出発点とし、「人の生きる現場に赴いてその生き様に触れ、私の意識体験を現象学的に反省することから人の生の本質に迫る」ことを研究目的としてきた著者の集大成ともいえる一冊。処女作から30年を経た今、関係発達、間主観性、両義性、相互主体性という著者の導き出した理論的柱とエピソード記述をめぐるエッセンスを概観したうえで、いまだ未整理だった「接面」の概念、「接面の当事者」という新しい構想をとりあげ、対人実践へとつなぐあり方を考える。
目次
序章 「接面」の人間学のために(研究のスタートと基本となる考えの模索;「接面」の人間学に向けて)
第1章 「接面」という概念が導かれるまで(現象学に惹かれる;関係発達という考え方に至るまで ほか)
第2章 なぜ接面パラダイムなのか(「接面」の概念に至る経緯と二つの観察枠組みの違い;「接面」とは ほか)
第3章 「接面」とエピソード記述(「接面」、意識体験、エピソード記録;エピソードを描くことと「接面」 ほか)
第4章 当事者研究のために(広義の「当事者研究」とは;書籍『障碍のある子とともに歩んだ20年』より ほか)
著者等紹介
鯨岡峻[クジラオカタカシ]
現在、京都大学名誉教授。京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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