史料で読み解く日本史
日記で読む近現代日本政治史

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  • サイズ A5判/ページ数 353p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784623078547
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C3321

出版社内容情報

木戸孝允、原敬、牧野伸顕、重光葵、東久邇宮、佐藤榮作…明治・大正・昭和の政治家たちをより深く知るための道案内近現代の日本人はいかなる日記を残してきたのか。とりわけ政治の舞台で活躍した政治家、官僚、軍人、知識人たちは、どのような思いで日々の出来事を記録し続けてきたのか。本書では、明治・大正・昭和の百年間における主要な日記を取り上げ、その面白さと特徴を分かりやすく紹介する。また同時代の日記についての資料を巻末に盛り込む。日本政治史をより深く知ろうとする人には必携の一冊である。





はしがき



序 章 近現代日本の日記(黒沢文貴)

 1 近代以降の日記と日記帳

 2 史料としての日記





 第?部 明治・大正の日記――立憲国家の形成



 【解 説】(季武嘉也)



第1章 『木戸孝允日記』と『大久保利通日記』――明治新政府を支えた維新の志士(西川 誠)

 1 対照的な二人の日記

 2 木戸の情熱,長旅の政策

 3 大久保の果断,薩派の意思

 4 鳥瞰する二つの視点



 コラム1 谷干城――明治保守主義の実相(小林和幸)



第2章 『植木枝盛日記』と『近衛篤麿日記』――「浮遊」する二つの特異な個性(村瀬信一)

 1 植木枝盛という青年

 2 『植木枝盛日記』の世界

 3 早過ぎた晩年

 4 近衛篤麿という貴公子

 5 『近衛篤麿日記』の世界

 6 「浮遊」の系譜



 コラム2 『明治天皇紀』――明治天皇の動静を伝える実証的記録(小林和幸)



第3章 『財部彪日記』と『宇都宮太郎日記』――交錯する陸海軍人の日記(櫻井良樹)

 1 陸軍軍人の日記の対照

 2 財部彪日記

 3 宇都宮太郎日記

 4 交錯する日記



第4章 『原敬日記』と『田健治郎日記』――帝国議会の舞台裏(季武嘉也)

 1 二つの「是々非々主義」

 2 藩閥に対する闘争記録・「原敬日記」

 3 文人政治家の記録・「田健治郎日記」

 4 対立と融和





 第?部 大正末・昭和初期の日記――政党政治の展開と崩壊



 【解 説】(季武嘉也)



第5章 『牧野伸顕日記』と『侍従次長河井弥八日記』――昭和天皇(摂政宮)をめぐる宮中と政治(黒沢文貴)

 1 牧野伸顕日記と河井弥八日記

 2 皇太子の君主としての涵養

 3 立憲政治と天皇大権の行使のあり方



 コラム3 『倉富勇三郎日記』――天皇・皇族と宮中の一級資料(伊藤之雄)

 コラム4 『四竈孝輔日記』と『奈良武次日記』――大正天皇に仕えた二人の侍従武官(梶田明宏)

 コラム5 『畑俊六日記』――張作霖爆殺と関東軍の張学良擁立構想(小林道彦)



第6章 『岡田啓介日記』と『加藤寛治日記』――ロンドン海軍条約締結をめぐる葛藤(相澤 淳)

 1 日記の概要

 2 ロンドン会議までの経緯

 3 ロンドンからの請訓

 4 請訓への対応

 5 回訓の決定



 コラム6 『浜口雄幸日記』――ライオン宰相の足跡(川田 稔)



第7章 『宇垣一成日記』と『真崎甚三郎日記』――事件の黒幕とされた二人(加藤陽子)

 1 対照的な二人

 2 宇垣一成の日記

 3 真崎甚三郎の日記



 コラム7 『本庄繁日記』――満州事変と二・二六事件の渦中で(照沼康孝)





 第?部 昭和戦中期の日記――内外新秩序の模索と分裂



 【解 説】(黒沢文貴)



第8章 『芦田均日記』,『重光葵手記』,『石射猪太郎日記』――昭和戦前期の外交官の栄光と挫折(武田知己)

 1 外交官の個性

 2 昭和の動乱と日本外交

 3 1930年代の日本外交の分裂をめぐって

 4 昭和の外交史を読み直す



第9章 『矢部貞治日記 銀杏の巻』と『暗黒日記』(清沢冽)――戦中期知識人の国際秩序論(酒井哲哉)

 1 日記の紹介

 2 矢部貞治と東亜新秩序

 3 清沢冽と太平洋戦争

 4 大東亜共栄圏論をめぐる対立と交錯

 5 終戦に向けて



第10章 『滞日十年』(グルー)と『西園寺公と政局』(原田熊雄)――駐日アメリカ大使から見た日本の「穏健派」(戸部良一)

 1 「振子」説

 2 日本政治の分析

 3 支那事変

 4 破局回避のために



 コラム8 『大本営陸軍部戦争指導班 機密戦争日誌』――開戦決意をめぐる攻防(波多野澄雄)



第11章 『木戸幸一日記』と『細川日記』(細川護貞)――昭和終戦期の政界上層部(古川隆久)

 1 日記と筆者の紹介

 2 東条英機内閣倒閣に向けて

 3 終戦に向けて

 4 二つの日記から浮かび上がる近代日本政治の病理



 コラム9 『高松宮日記』と『高木惣吉日記』――協力しつつも対照的な二人(小磯隆広)



第12章 『東久邇宮日記』(東久邇宮稔彦王)と『徳川義寛日記』――「武は文にゆずる」(波多野澄雄)

 1 二つの日記の来歴

 2 「東久邇宮日記」の面白さ

 3 「皇族首班論」の行方

 4 皇族内閣の功罪

 5 二人の敗戦観



 コラム10 『近衛日記』(近衛文麿)――「日本で最も長い一ヵ月」(庄司潤一郎)





 第?部 昭和戦後期の日記――戦後体制の形成



 【解 説】(黒沢文貴)



第13章 『側近日誌』(木下道雄)と『寺崎英成・御用掛日記』――危機に瀕した皇室をいかに救うべきか(茶谷誠一)

 1 木下道雄と寺崎英成の接点

 2 皇室の危機と天皇・側近の対応

 3 「独白録」作成とその後

 4 「寺崎日記」にみる天皇の政治関心



第14章 『石橋湛山日記』と『鳩山一郎・薫日記』(鳩山一郎)――戦後の政党政治(福永文夫)

 1 日記の紹介

 2 戦後政治の再出発――自由党の結成と公職追放 

 3 民主党結成から鳩山内閣へ



第15章 『佐藤榮作日記』と『楠田實日記』――長期政権下の外交と内政(河野康子)

 1 日記の紹介

 2 官僚から政治家へ

 3 保守合同不参加から自民党総裁へ

 4 佐藤政権期の首相官邸と外務省

 5 沖縄返還交渉以後の佐藤内閣――中道政党との提携

 6 二つの日記にみる統治の軌跡――自民党の変容と戦後保守の再定義



 コラム11 『入江相政日記』と『卜部亮吾侍従日記』――昭和天皇の歴史認識(堀口 修)



あとがき

近現代日本政治史の主要日記/史料名索引/人名索引

黒沢 文貴[クロサワ フミタカ]
2017年2月現在 東京女子大学現代教養学部教授

季武 嘉也[スエタケ ヨシヤ]
2017年2月現在 創価大学文学部教授

内容説明

近現代の日本人はいかなる日記を残してきたのか。とりわけ政治の舞台で活躍した政治家、官僚、軍人、知識人たちは、どのような思いで日々の出来事を記録し続けてきたのか。本書では、明治・大正・昭和の百年間における主要な日記を取り上げ、その面白さと特徴を分かりやすく紹介する。また同時代の日記についての資料を巻末に盛り込む。日本政治史をより深く知ろうとする人には必携の一冊である。

目次

近現代日本の日記
第1部 明治・大正期の日記―立憲国家の形成(『木戸孝允日記』と『大久保利通日記』―明治新政府を支えた維新の志士;『植木枝盛日記』と『近衛篤麿日記』―「浮遊」する二つの特異な個性;『財部彪日記』と『宇都宮太郎日記』;『原敬日記』と『田健治郎日記』)
第2部 大正末・昭和初期の日記―政党政治の展開と崩壊(『牧野伸顕日記』と『侍従次長河井弥八日記』―昭和天皇(摂政宮)をめぐる宮中と政治
『岡田啓介日記』と『加藤寛治日記』―ロンドン海軍条約締結をめぐる葛藤
『宇垣一成日記』と『真崎甚三郎日記』)
第3部 昭和戦中期の日記―内外新秩序の模索と分裂(『芦田均日記』、『重光葵手記』、『石射猪太郎日記』―昭和戦前期の外交官の栄光と挫折;『矢部貞治日記 銀杏の巻』と『暗黒日記』(清沢冽)
『滞日十年』(グルー)と『西園寺公と政局』(原田熊雄)
『木戸幸一日記』と『細川日記』(細川護貞)
『東久迩宮日記』(東久迩宮稔彦王)と『徳川義寛終戦日記』
『徳川義寛終戦日記』)
第4部 昭和戦後期の日記―戦後体制の形成(『側近日誌』(木下道雄)と『寺崎英成・御用掛日記』―危機に瀕した皇室をいかに救うべきか
『石橋湛山日記』と『鳩山一郎・薫日記』―戦後の政党政治
『佐藤榮作日記』と『楠田實日記』)

著者等紹介

黒沢文貴[クロサワフミタカ]
1953年東京都生まれ。1984年上智大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(法学)。現在、東京女子大学現代教養学部教授

季武嘉也[スエタケヨシヤ]
1954年東京都生まれ。1985年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、創価大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

101
日本近現代において日記というものを残した政治家の実あるいはをその日記をもとにその人物や当時の状況などを分析しています。私も原敬や牧野伸顕やあるいは佐藤栄作の日記などは読んだことがありますが、かなりの政治家が残されていることを知りました。備忘録的な意味合いからあるいはのちに読まれることを予想して、とさまざまですがかなりの資料的価値はあるように思えます。2017/09/03

犬養三千代

6
お気に入りにさせて頂いている方の感想にひかれて読んだ。防備録としてまた、いずれ読まれることを想定して書かれたものもあるそうだ。明治以降の歴史の一端を解りやすく解説している。知らないことが多いなと感じた。巻末の日記一覧は壮観。何冊かはメモった。読めるかなぁ?2019/06/10

オサムくん

2
半分くらい読んだ。どれもコンパクトで読みやすいが、専門として勉強するには短い。2017/05/17

中将(予備役)

1
近現代の政治史料として有用な日記の紹介。各時代・分野から二人を取り上げて対比させる構成が理解を助けた。歴史学者が日記をどう読むのかの片鱗を知った。2023/11/13

陽香

0
201704302018/11/16

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