出版社内容情報
20世紀と21世紀の時代精神を様々な局面から凝視。〈現代〉を文化・精神史的視点から考察し、時代の光と影を総括する現代文明論。現代を世界史の大きな枠の中でとらえて、十九、二十、二十一世紀を総括し、われわれが立っている現代の位置を解明する。科学技術が人間精神に及ぼす影響と、それに伴う文化精神の低落や大衆社会の病理を抉り出し、現代という時代の心象風景を批判的に記述する。現代とはどのような時代なのか、現代の精神状況を冷静に眺め診断する文明論的考察。
[ヨーロッピズム──現代の世界史的解明への序章]
第一章 ヨーロッピズムの時代―ヨーロッパの世界化と世界のヨーロッパ化
1 二十世紀とは何であったか
2 歴史観の転換
3 日本の近代化
4 ヨーロッパの近代化とその拡大
5 非ヨーロッパのヨーロッパ化
6 ヨーロッピズムの時代
第二章 ヨーロッパの拡大――ヨーロッパ文化の自壊とヨーロッパ近代文明の膨張
1 ヨーロッパ文化は何によって成立したか
2 ルネサンスをどうみるか
3 世俗化の時代
4 産業革命とフランス革命は何を意味するか
5 自由主義と社会主義と国民主義
6 ヨーロッパ文化の自壊
7 ヨーロッパの拡大
第三章 非ヨーロッパのヨーロッパ化――ヨーロッパ近代文明の受容とヨーロッパへの反撃
1 十九世紀以前のヨーロッパ化
2 十九世紀のヨーロッパ近代文明の衝撃
3 自主的ヨーロッパ化
4 植民地化としてのヨーロッパ化
5 ヨーロッパ主義の系譜
6 反ヨーロッパ主義の系譜
7 ヨーロッパ主義と反ヨーロッパ主義の交叉
8 非ヨーロッパの近代文化
9 ヨーロッパへの反撃
10 ヨーロッパからの自立
11 二十世紀後半の非ヨーロッパ
補遺 ヨーロッパにして非ヨーロッパ――アメリカ
第四章 ヨーロッピズムの終焉――ヨーロッパの後退と世界の合一化
1 ヨーロッパの後退
2 ヨーロッパの非ヨーロッパ化
3 危機に立つ二十世紀の文化
4 二十世紀の国際関係と近代化
5 ヨーロッピズムの中の共産主義
6 国際化と文化の混在
7 二十一世紀への展望
註
あとがき
[二十世紀とは何であったか──鎮魂と追悼の百年]
はじめに 二十世紀の光と影
第一章 非ヨーロッパの世紀
1 ヨーロッパの後退
2 アメリカニズムの盛衰
3 コミュニズムの興亡
4 アジア・アフリカの自立と苦悩
第二章 科学技術文明の進展
1 科学技術の巨大化
2 メディアの復讐
第三章 大衆社会の出現
1 大衆消費社会の実現
2 大衆の国家
第四章 文化の頽落
1 低俗の崇拝と専門化
2 世界像の喪失と対象の破壊
3 精神の散乱と永遠の忘却
あとがき
[二十一世紀を読む──不安な時代]
まえがき
第一章 統合されゆく世界
1 世界の合一化と地域統合
2 政治統合の可能性
第二章 分散する世界
1 民族紛争の時代
2 統合と分散のせめぎ合い
第三章 混在する文化
1 相対主義の時代
2 移動する人口
第四章 一様化と水平化
1 一様化と画一化
2 水平化と平均化
第五章 膨張と略奪
1 幾何級数的膨張
2 自然と生命の略奪
第六章 離脱する精神
1 享楽的生活
2 情報過多社会
3 仮想現実
4 文明の落とし子たち
第七章 不安な時代と宗教
1 文明の衰退と不安
2 不安と救い
註
あとがき
[付 論]
東アジア時代の検証
多様性の中の共存
世界の政治的統合に向けて
後 記
小林 道憲[コバヤシ ミチノリ]
著・文・その他
内容説明
現代を世界史の大きな枠の中でとらえて、十九、二十、二十一世紀を総括し、われわれが立っている現代の位置を解明する。科学技術が人間精神に及ぼす影響と、それに伴う文化精神の低落や大衆社会の病理を抉り出し、現代という時代の心象風景を批判的に記述する。現代とはどのような時代なのか、現代の精神状況を冷静に眺め診断する文明論的考察。
目次
ヨーロッピズム―現代の世界史的解明への序章(ヨーロッピズムの時代―ヨーロッパの世界化と世界のヨーロッパ化;ヨーロッパの拡大―ヨーロッパ文化の自壊とヨーロッパ近代文明の膨張;非ヨーロッパのヨーロッパ化―ヨーロッパ近代文明の受容とヨーロッパへの反撃)
二十世紀とは何であったか―鎮魂と追悼の百年(非ヨーロッパの世紀;科学技術文明の進展;大衆社会の出現;文化の頽落)
二十一世紀を読む―不安な時代(統合されゆく世界;分散する世界;混在する文化;一様化と水平化;膨張と略奪;離脱する精神;不安な時代と宗教)
付論(東アジア時代の検証;多様性の中の共存;世界の政治的統合に向けて)
著者等紹介
小林道憲[コバヤシミチノリ]
1944年福井県生まれ。1963年~1972年京都大学文学部、同大学大学院文学研究科で哲学(西洋哲学史)を専攻。1972年~2010年福井大学教育学部(後・教育地域科学部)講師、助教授、教授、および、同大学大学院教育学研究科教授。1999年~2011年麗澤大学比較文明文化研究センター客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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