内容説明
本書は、ヨーロッパ史における18の裁判事例を詳解し、各時代の法律家が、それぞれの時代や体制の枠組みの中で、どのような論理をもって事件を扱い、当時の制度・手続きが判決にどのような影響を及ぼしたのかを検証。時代は古代から19世紀末まで。関わる人物はハインリヒ獅子公やフリードリヒ大王から市井の人々まで。宗教や所有権、相続などをめぐる多様な判例をもとに、法のあり方を分析している。
目次
ディオニシア対カイレモン事件―ローマ時代のエジプトにおける法的紛争の一事例
クリウス事件―生まれなかったか、死ななかったか、あるいは「死んだ仮説を抹殺することはできない」
生まれながらの自由人か、それとも被解放自由人か―ユスタの裁判
狼にくわえられた豚―『学説集』第41巻第1章第44法文
ユリアヌスと物権契約の発見
ロータル2世の婚姻紛争―その主役たち、および、彼らそれぞれの視角
ハインリヒ獅子公に対する訴訟
哀しき王孫―アゾ第13質疑におけるブルタニュのアルテュル
婚姻と嫁資と死
忘れっぽい代弁人―中世後期の裁判に関するケーススタディ〔ほか〕
著者等紹介
ファルク,ウルリッヒ[ファルク,ウルリッヒ] [Falk,Ulrich]
1957年生。マックス・プランク・ヨーロッパ法史研究所研究員を経て、マンハイム大学教授。専門はローマ法と近世・近代私法史
ルミナティ,ミケレ[ルミナティ,ミケレ] [Luminati,Michele]
1960年生。ルツェルン大学教授、在ローマ・スイス文化会館館長。専門はイタリア=スイス法史・訴訟法史
シュメーケル,マティアス[シュメーケル,マティアス] [Schmoeckel,Matthias]
1963年生。ボン大学教授。専門はドイツ法史・教会法史・国際法史など
小川浩三[オガワコウゾウ]
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。現在、専修大学法学部教授。研究分野、中世学識法・民法の史的生成過程
福田誠治[フクダセイジ]
博士(法学 北海道大学)。北海道大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、上智大学法科大学院教授。研究分野、民法、特に債権担保の史的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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