内容説明
東アジアの国際環境には、劇的な変容の兆しがある。それに伴い、日本の外交・防衛政策の基軸である日米同盟も変化するのであろうか。周囲諸国は、日米同盟をどう見ているのであろうか。本書は、時間軸、機能軸、地理軸という3つの視角から日米同盟を総括的に振り返るとともに、国内事情だけでなくアメリカ、中国、朝鮮、ASEANなど周辺諸国・地域が日米同盟をどう見ているかを解明する。更に、変容する日米同盟をめぐる議論を体系化し、国際社会における日米の帰趨に関する理解に繋げる。
目次
日米「同盟」関係をめぐって
第1部 時間軸 日米同盟の前史と日米安保の歴史(知的交流に見る戦前・戦後初期日米関係の断絶と継続;占領期の日米関係;日米同盟の成立から沖縄返還まで;沖縄返還後における日米関係の周期的変動)
第2部 機能軸 日米同盟の政策的な影響(国内問題としての日米同盟―基地問題の軌跡と現状;経済摩擦と日米関係;広報文化外交としての原子力平和利用キャンペーンと1950年代の日米関係;日米防衛装備・技術協力;「核の傘」をめぐる日米関係)
第3部 地理軸 東アジアにおける日米同盟(アメリカから見た日米同盟;中国から見た日米同盟;沖縄返還をめぐる韓国外交の展開と北朝鮮の反応;台湾から見た日米同盟;ASEAN地域フォーラムと日米同盟―東アジア地域安全保障へのインプリケーション)
中国の台頭と日米同盟の対応
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
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15-115例・中国は国連の常任理事国であり拒否権という特権を有している。ということは換言すると、中国が望まない「国際の平和と安定」に関する決議の採択や行動を国連はとれないのみならず、安保理の議題にすることすら困難である。つまり中国が日本の国益に反するとみなせるような行動を取ったとしても、国連を頼りに対応することは難しい。 時間軸、機能軸、地理軸という3つの視角から日米同盟を総括的に振り返るとともに、国内事情だけでなくアメリカ、中国、朝鮮、ASEANなど周辺諸国・地域が日米同盟をどう見ているかを解明する。2012/01/09