内容説明
台湾有事が現実的な懸念となる今、自衛隊の安定的な運用のためにも防衛産業の再興が欠かせない。しかし、日本の防衛産業には何重もの「足かせ」がある。顧客は自衛隊だけ、大企業の弱小部門に過ぎない存在感の低さ、筋違いの「死の商人」批判などから、「本当はやめたい」会社も少なくないのだ。一貫して自衛隊と防衛産業の取材を続けている専門家が語る、「軍産複合体」のリアルな姿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
confusion_regret_temptation
24
しっかり防衛業界を見てこられた方だなと感じられる本。これを右寄りとは思わないで欲しいと切に願う。災害支援は本来自治体のやるべきことで自衛隊はあくまでも国防が第一だとはっきり述べられたことに敬意を表します。2024/12/04
ざび
2
防衛産業への思いを適切に記載している。 プライムに偏らず小さな下請けのことまできちんと書いていた。 自衛官と産業との考えの違いも興味深い。2024/10/26
たかひー
0
★★★★ 8~9割は賛同できる。予算が限られる中何でもかんでも国産がいいとは思わないが防衛産業基盤はやはり大切にすべき。物心両面で自衛官が誇りを持てる環境を整えないと。2025/04/08
たける
0
競争入札により、本来入手すべき性能の装備品が手に入っていない現状に憤りを感じました。官民の癒着は問題かもしれない、競争性のない制度は不公平かもしれない、しかし本末転倒となる今の制度はもっとダメだろう。2025/02/22
Kazuo Ebihara
0
自衛隊は、人不足に加え、予算不足、装備不足も深刻のようだ。 自衛隊を支えて来た国内の防衛産業は、 薄い利益、不安定な受注、過度の品質要求、重いペナルティに 耐えかねて撤退する会社が相次いでいる。 陸上自衛隊の制服が不揃いなのは、繊維産業の国外移転が進み、国内のミシンと働き手が少なくなったためという。 著者は、今や制度と慣習の矛盾が露呈している 自衛隊の調達と日本の防衛産業の実態をリポートし、 国家主導で防衛産業を守るべしと提起している。2024/10/20