内容説明
専門である精神病理学を軸に、独自の自己論、時間論、生命論などを展開し国内外に大きな影響を与えてきた木村敏。本書は、自身の生い立ち、家族、故郷、学生時代、研究対象の変遷、海外での生活、同時代の研究者・思想家たちとの知的交流…数々のエピソードを交えて研究人生を語りつくす、初めての自伝。
目次
第1章 精神科医になるまで
第2章 精神医学の修業時代
第3章 一回目のドイツ留学
第4章 精神病院での五年間
第5章 二回目のドイツ留学
第6章 名古屋時代
第7章 京大に戻って
第8章 京大退官以後
跋 精神医学から臨床哲学へ
著者等紹介
木村敏[キムラビン]
1931年生まれ。京都大学医学部卒業。名古屋市立大学医学部教授、京都大学医学部教授、龍谷大学国際文化学部教授、立命館大学文学部客員教授を歴任。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所主任研究員・所長、京都博愛会病院顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポカホンタス
3
大変面白かった。日本の精神病理学の中心にいた人だからこそ、先生の人生は日本の精神病理学の歴史そのものである。私は先生の日本語の著作はほとんど読んでいるが、ドイツ語やフランス語の論文もこんなにたくさんあるなんて知らなかった。国際学会でも何度も講演されていて、世界の木村だったのである。二度のドイツ留学は自分が留学しているような気分でワクワクしながら読んだ。先生の思索の総まとめにもなっていると同時に人間木村敏をたっぷり味わえる内容。2015/12/27
Costa まさ
2
その分野では日本国内は勿論、ヨーロッパでも著名であろう精神病理学を専門とする医師(現在は教授を退官)の自伝。私が感銘を受け、推敲を重ねて難産の末に出版されたと思い込んでいた「時間と自己」という1冊がひと夏で一気に書き上げられた事を知り、愕然とした。著者の弱者(患者)に対する優しい視点はその生い立ちに由来するのではないかと思って読み進めたが、それも違っていたと思う。世代で一括りにする事はご法度だと思うけれど、戦前生まれはすげぇなぁ!というのが率直な感想です。経歴もすごいけれど、それ以上に多方面にタフすぎる。2017/11/15
hayaok
1
著作の概要がまとまってるものとしても。2012/01/12
ptamago
1
精神科医兼哲学者、ドイツに留学し臨床、哲学に没頭しと大変うらやましい。2011/02/17
メルセ・ひすい
1
13-104 赤26 家族、故郷、学生時代、研究対象の変遷、海外での生活、同時代の研究者・思想家たちとの知的交流…。精神病理学を軸に思索を重ねて醸成された独自の知的世界へいたる道筋を詳述。2010/06/17