内容説明
2005年に発効したばかりの京都議定書が、排出量目標が決まっていない2013年以降も維持されるかどうかは予断を許さない。本書は、京都議定書の実施の状況に関する詳細な調査研究にもとづき、いわゆるポスト京都、ポスト2012と呼ばれる、2013年以降にいかに国際的に温暖化対策を進めていくかの課題に応える。国家だけでなく、欧州連合のような国家連合、自治体、そしてNGOの重層的なガバナンスに着目する。
目次
ポスト2012の国際交渉―本書の概要とねらい
第1部 温暖化防止の規範理論(地球温暖化防止と持続可能な発展―持続可能な発展が国際交流に与えた影響;地球温暖化問題と責任の論理―回顧的責任と展望的責任の接合)
第2部 京都議定書の実施の状況(京都議定書の現状と課題―2013年以降に向けて;EUの環境・エネルギー政策―共通の枠組みに向けた政策統合の現状;排出枠取引の国内実施―ドイツの場合)
第3部 温暖化防止のガバナンス論(地球温暖化の国際制度形成と市場メカニズム―市場と制度の相互作用;森林等吸収源に関わる制度―原則とそれに基づく各種提案の予備的な評価;異なる問題領域間における非政府組織(NGO)の役割―国際的環境NGOネットワークCANと国際協力NGO
地方自治体の役割―ネットワークの機能に着目して)
著者等紹介
新澤秀則[ニイザワヒデノリ]
1958年生まれ。大阪大学大学院工学研究科環境工学専攻博士課程を経て、兵庫県立大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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