内容説明
人間の安全保障は、これまでの国家を中心とした安全保障ではなく、人間を中心に据えた安全保障のあらたな概念として国連開発計画ならびに「人間の安全保障」委員会で主張され、おおいに注目を浴びている。本書はこの概念が開くあらたな地平を開発・外交・紛争といったさまざまな視野から詳解する。
目次
羅針盤としての「人間の安全保障」
第1部 新しい「認識空間」創造のために(安全保障という概念をめぐって;人間の安全保障と開発―地平線の広がり;人間の安全保障論の隘路)
第2部 「安全保障共同体」のジレンマをこえて(人間の安全保障と日本の外交政策;人間の安全保障と人道的介入―国連における人間の安全保障の展開を軸として;東アジアにおける貧困と人間の安全保障;アフリカの武力紛争と人間の安全保障)
第3部 日常のなかの人間の不安全―日本での取り組み(外国人と「社会の安全」;経済大国ニッポンで崩れる「医療」のしくみ;「人の移動」とジェンダー化する「人間の不安全」―批判的国際政治経済学の立場じゃら;日系人移住者の子どもの人間安全保障―在日日系ブラジル人の子どもの不安全から)
第4部 人間の安全保障の実現に向けて(北東アジアの環境問題と先住民の生存危機;社会運動と人間の安全保障;人間の安全保障と市民社会のグローバルな連携)
著者等紹介
武者小路公秀[ムシャコウジキンヒデ]
1929年生まれ。1953年学習院大学法学部政治学科卒業。現在、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター長。専攻は国際政治学、平和学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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